日本に追い風となる技術です。薄くて曲がる次世代の太陽電池について、26日、政府は家庭電力の1割程度まで普及させる目標を決定しました。
■家庭電力の1割まかなう!?「薄くて曲がる」太陽電池
夢の電池、その開発現場では…
記者
「かなり薄いように見える」
積水化学工業 森田健晴PVプロジェクトヘッド
「大体厚みが1ミリぐらい。かなり薄い」
日本で、そして世界で活用が期待されるペロブスカイト太陽電池。薄くて軽く、曲げられる。だから、高層ビルの壁や曲面にも設置できます
従来の太陽光パネルと比べ、平地の少ない日本にも導入しやすいかたちです。
積水化学工業 森田健晴PVプロジェクトヘッド
「つないだ瞬間、きょうは天気がいいのでガンガン回る。一回触ってみて下さい」
記者
「だいぶ軽いんですね」
積水化学工業 森田健晴PVプロジェクトヘッド
「曲げたことによって破壊されることは、ほとんどない」
この太陽電池について経済産業省は26日、政府やメーカーなどでつくる協議会を開き、2040年に20ギガワットまで普及させる目標をとりまとめました。これは原発20基分、家庭の使用電力の1割程度に相当します。
そして、原材料も日本に追い風です。
積水化学工業 森田健晴PVプロジェクトヘッド
「原材料の主成分がヨウ素。(日本は)世界で2番目の埋蔵量。国産でまかなえる」
安定調達できることから、経済安全保障の確保という観点からも期待されています。
すでに今年、KDDIは携帯電話の基地局の電柱にこの曲がる電池を貼り付け、発電の実証実験を始めました。
ただ、この電池の商用化をめぐっては、国内企業だけでなく中国を含めた海外勢も開発を進めていて、国際競争が激しくなっています。
■“曲がる”太陽電池 くらしどう変わる?
井上貴博 キャスター:
世界を変える可能性があります。既存の太陽光パネルに比べて重さ20分の1ぐらい、厚みは100分の1ぐらい。そうすると、これまで不可能と言われていた場所に設置することができます。
<ペロブスカイト太陽電池 こんな使い方が>
積水化学
フィルム型の太陽電池を本社ビルの外壁に設置
⇒既存建物への設置を検討
パナソニックホールディングス
ガラス型の太陽電池をバルコニーに設置する実証実験
⇒発電性能とデザインの両立目指す
これを例えばですが、新しい技術でより色を薄くすることができれば、限りなく透明に近いガラスのところにはめ込むことすらできうる。
ホラン千秋 キャスター:
エネルギー問題って大事ですけど、やっぱり家となると景観を気にする方もいらっしゃいますからね。
井上キャスター:
そうなんです。日本は土地が限られいてますので、もう太陽光パネルが設置できないと言われている中で、これだったらどんどん増やしていける、ということになるわけです。
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