10月、一宮市のマンションで水道メーターが盗まれました。一宮市は警察に被害届を提出し、「本当にやめてほしい」と怒りをにじませています。
一宮市上下水道部 中村誠二郎さん:
「今回こちらが水道メーターが盗難にあった場所になります」
一宮市のマンションには、本来あるはずの水道メーターがなくなっていました。
一宮市上下水道部 中村誠二郎さん:
「怒りというか本当に残念なこと。本当にやめていただきたい」
一宮市によりますと、業者が2か月ごとに行う検針で8月19日に現場を訪れた時には水道メーターはありました。しかし、10月21日の検針の時にはなくなっていたと言います。水道メーターがないと、断水して水道が使えなくなりますが、盗難があったのは空き部屋だったため、市はすぐに気づかなかったと言います。
一宮市では2024年1月から2月にかけて「グレーチング」という鉄製の側溝が245枚、盗まれました。今回は水道メーター1個が盗難。被害拡大を防ぐため市はパトロールを強化していますが、対策に頭を悩ませています。
一宮市上下水道部 中村誠二郎さん:
「鍵をするとか対策をすると、今後の検針業務が大変な状況になる。注意喚起をして早期に確認して対応してくしか今のところはない」
水道メーターとは、水道の使用量をはかるためのもので、一般的に建物の入り口近くや建物付近の地下に設置されています。
水道メーターをめぐっては、愛知県内では2024年、豊田市でも盗まれています。全国を見てみると、埼玉県、神奈川県、大阪府など多くの自治体が、被害に遭っています。
なぜ、水道メーターが盗まれるのか。専門家に話を聞きました。水問題を研究している東京財団政策研究所の橋本淳司さんです。
水道メーター盗難の背景には新型コロナが明けて銅の需要が急激に高まったことなどによる銅の価格高騰があると言います。
東京財団政策研究所の橋本淳司さん:
「水道メーターがお金になる。それで盗まれている。水道メーターの中に砲金という素材があって、これは青銅鋳物の中で銅の比率が8割以上高いもの。なので、高い値段で取引されている。現在約1キロあたり1000円程度で換金できる」
非鉄金属大手のJX金属によりますと、1トンあたりの銅の価格は2019年と比べて約2・2倍に上昇しています。ただ、水道メーターは業者にそのまま買い取られるのでしょうか。
東京財団政策研究所の橋本淳司さん:
「水道メーターには刻印、認識番号がついているので、そのまま転売することは難しい。そういうところはプロが持ち込む場所というところがあるらしい。そういうところなら換金が可能」
また水道メーターがないと断水するため、狙われやすい場所があると言います。
東京財団政策研究所の橋本淳司さん:
「空き家とか取り壊しが決まっているが、まだ水道メーターがついている。未入居の新築分譲住宅。予定地にいち早く設置されているメーター。長期間、水道を使用していないから、もし盗られてしまっても全く気付かない」
では、自治体などはどういった対策をすればよいのでしょうか。
東京財団政策研究所の橋本淳司さん:
「何かそこにカバーをかけたり、使用してないので検針もこないので重りを置いておくとか。空き家とか取り壊しが決まっている建物がある場合は、水道メーターを取り外すことも検討すると」
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