自民党内は納得、そして共感するでしょうか。石破茂総理大臣は、次の衆議院選挙で少なくとも6人を公認しない方針を明らかにしました。
■「裏金議員」6人非公認へ 示した3つの条件
石破総理
「政治資金を巡る問題に対する国民の皆様方の不信・お怒りに対しまして、自民党としてきちんと対応することが必要であると」
険しい顔で切り出したのは、「裏金議員」の一部について、選挙で党の公認を与えない方針でした。
石破総理
「相当程度の非公認が生ずることとなる」
公認しない対象として石破総理が示したのは、3つの条件です。
1つ目は、自民党内の8段階の処分のうち「選挙の非公認」より重い処分を受けた議員です。
対象は、「党員資格停止」処分を受けた下村博文氏、西村康稔氏、高木毅氏となる見通しです。
2つ目は…。
石破総理
「処分が継続しているものについては、政倫審で説明責任を果たしているものを除き、非公認とする」
岸田文雄総理大臣(当時 2月)
「自民党総裁として心からおわび申し上げます」
「裏金議員」が国会での弁明を求められた、政治倫理審査会。岸田前総理も、現役の総理として異例の出席をし、謝罪しました。
自民党の多くの議員に出席が求められたなか、萩生田光一氏は2月にこう話していました。
萩生田氏
「出席の明確な基準が公表されて、それの対象になるのでしたら、出席を拒むものではありません。私自身はすでに党に委ねております」
こう話した萩生田氏は、政倫審での説明はしていません。
他にも説明していない、平沢勝栄氏、三ッ林裕巳氏を加えた3人が条件に当てはまります。
萩生田氏は6日、自民党が下した判断について、こう投稿しています。
萩生田光一事務所のX
「この度の党の決定を重く受け止めております。まだ党から決定についての連絡はありませんが、大変厳しい判断をいただいたものと理解しております」
その萩生田氏を含め東京24区では、参政党のよくらさゆり氏、立憲民主党の有田芳生氏、諸派の佐藤由美氏、国民民主党の浦川祐輔氏が、候補者として出馬を予定しています。
石破総理が3つ目の条件に挙げたのが、「説明責任が十分に果たされず、地元での理解が十分に進んでいない」議員です。その数は…。
政治ジャーナリスト 田崎史郎氏
「数人からもしかしたら2桁になるかもしれないけれども、今の段階でそこは分からないです」
■野党は反発 裏金自体への追及求める声も
政治ジャーナリストも読めない、非公認の規模。しかし、野党は大半が公認されるとして、反発を強めています。
立憲民主党 野田佳彦代表
「相当程度というより、大半が公認される仕組みかと思う。ほとんどが公認されるこの仕組みでは、国民の理解を得ることは全然できない」
裏金自体への追及を求める声も上がっています。
れいわ新選組 山本太郎代表
「組織的な裏金作りの全容解明は行わず、選挙に負ければ死人に口なし、これが本質」
日本維新の会 馬場伸幸代表
「国民の目をあざむくための弥縫(びほう)策(取り繕い)であると断じざるを得ない」
社民党 福島瑞穂党首
「そもそも裏金問題については、調査をきちんとすべきであり、公認することそのものが問題である」
一方、石破総理は、「裏金議員」にさらに条件を課すことを決めました。その内容は…。
■急転直下…「選挙後に倒閣運動も」専門家
石破総理
「不記載があったその他の議員も比例名簿への登載はしない」
不記載のあった議員全体に対し、復活当選の可能性がある、比例代表への重複立候補を認めない方針です。
ただ、野党からはこんな意見もあります。
国民民主党 玉木雄一郎代表
「内部抗争で安倍派の議員をできるだけ落選させようという内向きの処分にも見える」
共産党 小池晃書記局長
「世論の反発が大きかったので、今になって慌てて処分したとしか思えず、石破さんらしいぶれ方だ」
田崎氏は、今回の方針は「裏金議員」には「非常に痛い」としたうえで、こう話します。
田崎氏
「衆院解散時期や組閣人事、さらに金融政策などで『ブレた』と言われ、“筋を通す”“正論を言う”という石破氏の従来のイメージを取り戻したい思惑があったのでは」
「急転直下の石破色」に、党内は収まるのでしょうか。
田崎氏
「(『裏金議員』が多い)安倍派との関係がますます悪くなった。とにかく(議員)バッジを付けてきて、選挙後に倒閣運動を始めるということ」
(「グッド!モーニング」2024年10月7日放送分より)
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