テレビ朝日は「未来をここから」プロジェクトの一環でSDGs企画をお伝えします。きょうのテーマは「すべての人に健康と福祉を」です。私たちの命を守るため、期待が寄せられている「ある装置」を取材しました。
都内の救急出動件数は、去年、過去最多を記録。今年はすでに、それを上回るペースとなっています。
現場に駆け付けた救急隊は病院に到着するまで、絶え間なく心臓マッサージをするよう努めますが…。
入り組んだ地下や、高層マンションなどで階段を使う“都内特有”の構造が障害となり立ちはだかります。
東京消防庁 救急機動部隊 磯崎傑隊長
「(Q.こういう搬送はよくある?)階段で移動の時は、質の良い胸骨圧迫ができないので踊り場だけ胸骨圧迫をしている」
こうした問題を解決し、“救世主”となるべく導入されたのが…人の手に代わって、胸を圧迫する“自動式心マッサージ器”です。
限られたスペースでも、医師へ引き継ぐまで途切れることなく、継続して心臓マッサージをすることができます。
同じことを実際に自分でやってみました。
磯崎傑隊長
「テンポはこの音で、1分間で約100回になります。これを救急隊は、病院に着くまで約20分間行います」
自動化によって、こうした時間をほかの救命作業に割くことができるようになります。
磯崎傑隊長
「(自動式心マッサージ器の導入で)絶え間く良質な胸骨圧迫ができたことにより救命効果の向上が得られた」
現在、東京消防庁にある救急車のおよそ3割に導入されていて、(この新たな機械によって)より多くの命を救うことができると期待されています。
出動件数は年々増えていて、取材中にも要請が入るなど皆さん懸命に対応されていました。東京消防庁はこの心臓マッサージの装置を今年度中に都内すべての消防署に配置する予定だということです。