男性は能登半島地震により家が全壊し、直後からビニールハウスで避難生活を続けてきました。仮設住宅の建設の遅れから、先月も同じ場所で暮らしていましたが、今回の記録的な大雨は大丈夫だったのでしょうか。
■震災後から猛暑の夏も…ビニールハウス生活の男性
週末、記録的な大雨に見舞われた石川県の能登半島。輪島市では2日間で2カ月分以上の雨が降りました。
土砂崩れにより、傾いた電柱。その近くでも土砂により、家が押しつぶされ、至る所で雨による土砂崩れが発生しています。
土砂崩れを目撃した人
「ゆっくり木が動いてきて、ありゃー倒れる倒れると思ったらバサッと倒れて。そしたらすごくでかい音がして、バキーンと1階部分がつぶれてしまった」
輪島市は、元日に起きた能登半島地震で建物の3割以上が全壊するなど大きな被害を受けました。
輪島市長井町に暮らしていた保靖夫さんも、被災者の一人です。
保さん(当時69)
「みんな一緒だけど、家が倒壊してしまっているので、ここにとどまっている」
震災直後、近所の人とビニールハウスで避難生活を送っているところを取材しました。
保さん(当時69)
「ここで自分が、奥に妻が寝ているという感じです」
「(Q.上が雨漏り?)雨漏りしているので、これで屋根を作ったという感じで。仮にですけど雨が降ったら雨漏りがひどいので」
ダンボールで寝床や休めるスペースを作り、ブルーシートで雨を防ぐなどして、ビニールハウスの中を生活ができるように作り変えていました。
支援物資などで生活をつないでいた保さん。地震の発生から7カ月経った先月も、ビニールハウスで避難生活をしていました。
保さん(70)
「もう1月からなんも変わらん」
住んでいる人は減りましたが、保さんを含む2世帯3人がこの場所を生活の拠点にしながら、この夏の猛暑も扇風機の風でしのいでいたといいます。
様々な援助で、支えられていると話す保さんですが、やはり安心して雨風をしのげる場所が欲しいと話していました。
保さん
「いま待ち遠しいのは仮設住宅。いつごろ入れるかという連絡もないし、いつ行くかの大体のめどでもね、言っていただけば、俺だったらいつ行くからそこまで頑張ろうとか、そういう気持ちになれるんだけど」
■10日ほど前に仮設住宅に移動も…また被災
保さんは、この大雨をどう過ごしていたのでしょうか。番組が長井町に向かってみたところ、長井町へ続く道路は土砂崩れによって倒れた木で道がふさがれ、先へ進むことができなくなっていました。他に行ける道を探してみますが…。
土砂を片付けていた人
「(Q.ここも流れてきた土砂ですよね?)そう、土砂よ。こっから行っても、どこまで行けるか分からんよ。こんなに土砂が流れてきて通行止めみたいになるのは珍しい」
長井町へ行く道はすべて閉ざされ、進むことができません。再び孤立状態になっているのでしょうか。
番組が調べたところ、長井町から1キロほど離れた稲屋町の仮設住宅に住んでいることが分かりました。
保さんを訪ねると、元気な姿で出迎えてくれました。
妻 美津枝さん(68)
「全部びしゃびしゃでね。中はきれいだけど」
稲屋町も大雨が降り、床下ギリギリまで水がきたと話します。
保さん
「これ、ぎりぎりまで上がって来ていた。もう少しでここを乗り越えるというか。きのうの夕方(水は)引いたけど、ヘドロがひどくて。朝方も増えて今、雨がやんだので、これだけ引いたわけですけど」
足を踏み入れると、くるぶしまで埋まるほど泥が残っていました。
実は保さん、長井町のビニールハウスから移動してきたのは、わずか10日ほど前のことだったといいます。引っ越しの片付けもままならないなか、今回の大雨に見舞われました。
保さん
「(Q.テレビはいつ来た?)おととい。おととい来て、きのうの朝から雨降ったやろ。それで、今朝から停電だから」
「(Q.テレビは見られなくなった?)そう、おとといチラッと見ただけで。でかい雨だったので、それで映らなくなった」
美津枝さん
「冷蔵庫もきのう入れたけど、あれはもう全部溶けてる」
保さん
「さっきアイスあった。それ一生懸命食べとった。アイスも溶けてしまうから、電気が来ないとね」
一難去ってまた一難。大変な中にもかかわらず、取材中、保さんは笑顔を絶やしません。その理由を聞いてみると。
保さん
「(Q.地震もあって、雨もあって大変な中ですが笑顔というか…)くよくよしとっても、どうしようもないしね。正直言っていろんな人から…支援してもらっているし、あんまりくよくよしんとこうかね。できるだけ笑顔の方がいいかなと思って…」
様々な支えに感謝しながら、前を向いていきます。
保さん
「本当にいろんな人から、いろんな支援していただいて。だからなるべく笑顔の方がいいかなと…」
(「グッド!モーニング」2024年9月23日放送分より)
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