福島県南部に位置する矢吹町は、温かな人々と魅力的な施設が点在する。そんな矢吹町が「街の幸福度ランキング2023(いい部屋ネット)」で県内一位に輝いた秘密を探る。
<町の魅力が詰まった駅前の幸せスポット>
JR矢吹駅前の商店街。そこで出会った町民おすすめの幸福スポットが「KOKOTTO(ココット)」。公民館、図書館、観光交流、子育て支援の4つの機能が融合した複合施設だ。
また町外から訪れた、街ブラが趣味という人がオススメしてくれたのは「未来(みら)くるやぶき」。0~小学3年生までを対象とした屋内運動場で「遊び場があって、すごい子育てしやすい町だと思う」という。さらに創業約150年のおしゃれな酒蔵「大木代吉本店」や街のシンボル的な存在「大正ロマンの館」などレトロな雰囲気のなか歩けるのは楽しいと話してくれた。
<珍しいテキーラが楽しめる幸せスポット>
サトー酒店には、ウイスキーやジン、テキーラなど、様々な洋酒・約1500種類が並ぶ。店主の佐藤伸行さんのオススメは「メキシコのテキーラを輸入していて、多分福島では弊社しかないと思います」と話す。
フランスの女性蒸留家が造った新進気鋭のテキーラは、バニラのような香りと飲みやすさが特徴だ。(◇カジェ23 レポサド 7,150円)
《サトー酒店》
矢吹町中町344
【営業時間】午前9:00〜午後6:00
【定休日】不定休
<吹き矢で健康づくり、地域の絆を深める幸せスポット>
矢吹町の魅力は、町民の健康づくりにも。KOKOTTOでは「矢吹スポーツクラブ」の吹き矢教室が開かれている。参加者たちは和やかな雰囲気の中、的を狙って矢を吹く。「楽しい!」という声が聞こえてくる。
<畳敷きの浴場とサウナで至福を感じる幸せスポット>
吹き矢教室の参加者たちが次にオススメするのが「あゆり温泉」だ。源泉は炭酸水素イオンを多く含み、美肌作用や皮膚病などに効果があるとされる、別名「美人の湯」。30年以上も地元で愛され続けているこの施設には、驚きのポイントがある。なんと、大浴場が畳敷きなのだ。2023年12月のリニューアルオープンの時に畳にしたそうで、所長の渡邉正晃さんは「日頃からお年寄りが多くて、安全のために特注で水に強い畳を準備しました」と説明する。
さらに2024年4月には新たな幸福ポイントが追加された。それがバレルサウナだ。熱した石に水をかけて水蒸気を発生させ、体感温度を上げることで発汗を促す。約10分のサウナ後は井戸水かけ流しの水風呂へ。そこから外気浴でクールダウンすれば、至福のひとときを体験できる。
《あゆり温泉》矢吹町八幡町442
【営業時間】午前10:00〜午後8:30
【定休日】火曜日
矢吹町の幸福度の高さは、こうした住みやすい環境と、温かく迎え入れてくれる町民の存在が大きい。町の魅力と人々の温かさが織りなす幸福の輪が、ここにはある。