【全編ノーカット】“党再生” 信頼回復への道は?自民党総裁選 候補者9人と生討論【報道ステーション】(2024年9月12日)

【全編ノーカット】“党再生” 信頼回復への道は?自民党総裁選 候補者9人と生討論【報道ステーション】(2024年9月12日)

自民党総裁選挙が12日からスタートしました。政治不信にさらされた自民党の再生が最大のテーマです。過去最多となった9人の候補者全員にしっかりと話を聞きます。

【信頼できる“自民党再生”は可能?】

今回、自民党総裁選の座を争うチャンスが訪れたのは、政治とカネの問題で、多くの人が幻滅してしまった結果として、岸田総裁が退陣せざるを得なくなったからです。となると一丁目一番地は政治改革、そして、自民党の改革ということになると思います。

まずに、皆さんに『自民党の一番反省すべき点、何がダメだったのか』、事前に、正直に書いてもらいました。

(Q.小林さんは、『ルールを守らなかった』と書かれました。国会は立法府です。ルールを作るところなのに、それを守らなかったら、どうしようもないですよ)

前経済安保担当大臣 小林鷹之氏
「仰る通りです。私たちは立法府に所属している。法律を作る私たち自身が、自分たちで作った法律を守れなかった。非常にシンプルですけれど、非常に深刻な事態だったと思います」

(Q.林さんは、『政治とカネ』と書かれています。そのものズバリだと思いますが、具体的にはどういうことでしょうか)

官房長官 林芳正氏
「不記載の問題があったと思います。それが発端になって、『じゃあ、そのお金どうなったの』と、普通の方はきちっと帳簿付けて税務署に申告してと。それと比べてどうなの。いろんな問題が出たところが、ここに集約されていると思います」

(Q.石破さんは、『謙虚さの欠如』と書かれました。あり方論だと思うけれども、これはどういう思いで書いたのでしょうか)

元幹事長 石破茂氏
「いろいろ説明も一生懸命しています。ただともすれば、自分に対する反省でもあるけど、何が悪いんだみたいな。ごめんなさい、すいませんでしたってことあるんだが、それにちょっと謙虚さが足らないんじゃないんですかという。それがないとやっぱり国民の心に響かないと私は思っています」

(Q.石破さんの考えに近いのかなと思ったのですが、加藤さんは『慢心』と書かれました)

元官房長官 加藤勝信氏
「まさに裏返してみれば、謙虚さがない。あるいは、おごり、高ぶりというなかで、これまでの何となく、これ許してもらえるんじゃないかという気持ちがどこかにあった。それが結果として、こうしたルールを破ってしまった。もう1回、その原点に立って考えていかないといけない。こう思って、慢心という言葉を選びました」

(Q.上川さんは、『倫理観の欠如』から来たんだという考えですね。『倫理観』という言葉を使われたのはなぜでしょう)

外務大臣 上川陽子氏
「まず、法令遵守。これは順法精神をしっかり生かして、これに従って行動するということは、極めて重要だと思ってます。さらに、政治家は、それ以上の倫理観を持っているべき存在であると思っていて、その意味では、基本的に倫理観が欠如していたのではないかと。ここが国民の皆さんの意識との間に大きなギャップを生じさせていたと思っています」

(Q.河野さんは、『改革のスピードが不十分』だったと言われます。これについて、どんなことを考えていますか)

デジタル大臣 河野太郎氏
「この不記載の問題が起きた時に、何十人が不記載になってしまった。何が原因だったかという原因究明をしっかりやったうえで、処分をするなら、その時に処分して、デジタル化ならデジタル化をやります。非課税にしているものについては、領収書を付けてちゃんと公開しますという、処分まできっちり初動ができていれば、こんな不審を招くことはなかった。それができなかったというところに尽きると思います」

(Q.初動の遅れという話が出ましたが、高市さんは『説明の遅さ』と書かれていますが、通ずるものがあると思いますが)

経済安保担当大臣 高市早苗氏
「どんな組織でもそうだと思うんですが、何か問題が発生した時に、その原因究明に時間がかかる場合もありますけど、まず問題が発生したことを発表する。それが間違ったことであれば、謝罪の効果というのは、その地位に比例し、時間に反比例するといわれますから、できるだけ早く、地位の高い方が出てきて、そして間違ったことであれば、しっかりと迅速に謝罪をする。このプロセス、それから、その後、原因究明がしっかりとできたら、その都度、きちっと発表していくと。この初動は、非常に遅かったと私は感じます」

(Q.現職幹事長の茂木さん、『国民感覚、地方の声とのズレ』と書かれました)

幹事長 茂木敏充氏
「国民から選ばれた立法府の人間ですから、法律を守るのは当然ですけれど、それができていなかった。そのことは反省しなければいけないと思っております。法律があるんですね。しかし、それが守られなかったんですから、より政治家自身が責任を負う。さらには、透明性を高める。こういう改革を進めていかなければいけない」

(Q.小泉さんは、2文字で『決着』と書かれました。これは政治とカネの問題のことも含めての決着ということですか)

元環境大臣 小泉進次郎氏
「そうです。これは高市さんの説明に、私は似ていると思います。これだけ長く、いまだに政治とカネの問題に決着をつけられていない。これは反省すべきだと思っています。政治とカネに限らず、例えば、選択的夫婦別姓についても、30年、議論を続けて、答えを出せずに決着がついていない。私は総じて『決着』がキーワードです」

■自民党は“ケジメ”をつけたのか

自民党は、いわゆる“裏金問題”で39人に処分を下しました。そのなかで、最も重い『離党勧告』を下されたのが、安倍派の参院トップだった世耕さん、そして、安倍派の座長だった塩谷さんです。塩谷さんは、次の衆院選に出馬しないと決めましたが、「私も(離党)処分については悔しい、あるいは大変憤りを感じている。最初からこの問題は、党全体の問題。最後に自分が辞めるというのも、これは何なんだという思いがある。我々は犬死したような、そんな思い」と発言しています。

(Q.処分を下した側にいた茂木さん、今の発言をどのように受け止めますか)

幹事長 茂木敏充氏
「多くの方から見て、今回の処分が甘いんじゃないかという声があると思います。ただ、政治資金の問題について、党が行った処分では、今までで最も大きなというか、重い処分になっているのは、確かだと私は思っております」

(Q.高市さん、この処分については、考え直すということは必要でしょうか)

経済安保担当大臣 高市早苗氏
「いいえ、この処分については、私は内閣にいますので、どういう基準で、どのような調査をしてというのを詳細に知っているわけではございません。それでも弁護士も入れて、しっかり聞き取り調査もして、十分に議論をして、党のほうで処分を決めた。それは、党紀委員会にもかかり、また、最高意思決定機関である総務会にもかかった。公認しないよりも、厳しい処分も2つ出ておりますよね。だから、党の手続きを踏んで決めたことについて、私が、仮に総裁になったとして、ひっくり返すつもりはございません。ただし、お一人お一人の状況を相当違います。この間から聞いていると、選挙区を歩いて、説明会を何度もやって、自分の収支もすべて公開して、『もうこの話はいいから、次の国政の話をしてくれ』って言われてる方もいる。また不記載だった分を派閥のほうにもすでに返したと、だから派閥が清算をする前に返したという方もいて、人によって、随分、事情が違います。ただ、自民党は、選挙に勝たなきゃいけません。今度、絶対勝たなきゃいけない。だから、自民党を強くしたいと思っていますので、公認に関しましては、この事案が起きたあと、それぞれがどのような活動をして、どのように有権者の皆さまに納得していただいたか。そこのところをしっかりと判断させていただきます」

(Q.高市さんの発言について、ここに異論がある、あるいは加えたいという方、いらっしゃいますか)

官房長官 林芳正氏
「ひと言だけ。高市候補が仰った通りだと思っているんですが、私も。ただ、いま、裁判が進行中で、従って、裁判等であのときに知らなかった、わからなかった事実が、もし出てくれば状況が変わるわけですから、調査なり、党紀委員会の審査、やり直さないといけないと思っています」

前経済安保担当大臣 小林鷹之氏
「私も、一度、党のルールにのっとって決めたことですから、これを安易に覆すということではないと思ってます。ただ、もっと重要なことは、先ほど、ルールを守らなかったということが、私は本質だと思っているけれども、今回、政治資金規正法を改正しましたし、また、党として党則・ガバナンスコードを変えたわけですから、自分たちで変えたルールを、今度はしっかりと守る。守れなかったら、厳正に処するということだと思います」

(Q.河野さん、目に見える形で何かできないですか)

デジタル大臣 河野太郎氏
「法律的に捜査当局的には、書類の訂正で終わったのかもしれませんけど、やはり不記載をしたという事実は厳然として残ります。中には、不記載と同等の金額を自分のところから手放して、返している議員もいますから。私は、もう不記載になった金額は、手元から返してくださいと、国に納めるなら国に納める。そういうことで、しっかりけじめをつけて前へ進む。そういうことが法律的には処理が終わっていたとしても、私はやるべきだと思います」

(Q.加藤さん、この国庫に返納するというやり方はできるのでしょうか)

元官房長官 加藤勝信氏
「これはできます。自民党は、政党交付金をもらってるわけですけれど、残った分は返すということになっていますから、そういう形での処理ということができると思います」

(Q.不記載相当分を党として、国庫に返納する)

元官房長官 加藤勝信氏
「そうですね。まずは、自民党自体が基本的な違反行為は、もちろん派閥であり、各個人の議員でありますけれど、そうしたものが、これだけの人数、これだけの期間で行われていて、チェックできなかった。そういったことも含めて、党の責任。そして、政党交付金をもらっていることを考えると、この不記載相当分について、国庫に返納するという形で、自民党として、まず責任を取る。そして、個々の分については、いま、いろんな動きがありますから、それを見て対応するというのがあるべき姿です」

(Q.石破さんはどうですか)

元幹事長 石破茂氏
「これを国庫からもらった金なら国庫に返納するという話になるのでしょうけど。別に国からもらった金ではない。つまり、不記載のパーティー券分は、いろんな企業が買ったわけですよ。そうすると、企業にしてみても、どこに返すんだって話になる。お金に色はついてないので。どこに返すのかという、かなり技術的に難しいような気がする。私は、さっき塩谷さんが言っていたことは、犠牲者みたいな言い方をしておられた。そういう意識だと思います。彼が言っていた中に、自民党の責任なんだということを言ってましたよね。そうだと私は思うんですよ。それぞれの人は、一人一人、説明すればいいって話じゃなくて、党としてきちんと説明をするということが大事だと思っています。そういう方々がもう収支報告書も訂正をしました。きちんと政治活動に使ったんですと。そうじゃない方は納税していただかないといけないけど。じゃあ、それで、もういいのかというと、国民は、全然、納得してない。
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