台風の影響を大きく受けるのが空の便です。航空会社がどのように欠航する便を決めているのか。全日空の台風対応の舞台裏に、初めてカメラが入りました。
台風10号の暴風域が奄美大島に入ったきのう…
「あすの進路を見て、あす中にある程度判断」
台風の進路予想を見ながら打ち合わせをしているこちらの男性。全日空のすべての運航を管理しているチームの一人、鈴木康太さん(41)です。台風やゲリラ雷雨などの天候によって、一日900便近い全ての便が運航できるかどうかを判断しています。
ANA運航総括責任者補佐 鈴木康太さん
「台風対策会議をこれから行います」
気象予報士の資格を持った職員などと、フライトに影響する風速や雨量、空港付近で雷雨が発生しているかなどを基準に、どの便を欠航にするか話し合っていました。
議論の末、28日から30日にかけて、宮崎や鹿児島などを発着する68便の欠航が決定。すぐにホームページなどに情報を反映します。
鈴木康太さん
「今回の台風は速度が遅くなったり進路が定まらなかったり、こういう状況なので判断がとても難しい。お客様にとって、どのタイミングで決定するのが望ましいのか、こういうところを突き詰めながらオペレーションの運航方針を決める」
ただ、一筋縄ではいかないのが今回の台風。
「進路予想が定かではない中で決めるのは難しいんじゃないかと」
台風の最新状況が夕方に発表され、想定より速度が遅く、勢力がさらに強まっていることから、欠航を増やすかどうか急きょ議論が始まりました。
担当者
「認識あわせして、きょうは決めきれないということでも…」
鈴木康太さん
「確定的な要素があれば、もう決めてもいいかなと」
担当者
「まっすぐ行っちゃえば長崎も佐賀も吹くパターン。逆に早く曲がってしまえば、ここまで吹かない可能性も…」
今の時点で、どこまで欠航とするか。担当者同士でも意見が分かれますが…
鈴木康太さん
「熊本、長崎、佐賀、大分の29日の始発便までのキャンセル(欠航)を決定したい方針」
最終的に、28日と翌日29日の熊本、長崎、佐賀、大分の12便を追加で欠航にすることを決めました。
鈴木康太さん
「(利用客に)きょうお知らせできれば、色々な選択肢が持てるのではないかと。こういうことに重きを置いて、きょうのデータで判断しようと。公共交通機関としての立場でいくと、飛ばせられる条件であれば、飛ばすのが大前提。お客さまにとって一番いいところに着地するのはなかなか難しかった」
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