■ 家族になる ~茗荷村と夜空の君と~
語り:高月彩良
ディレクター:宮田輝美
カメラ:竹田光彦
編集:宮村泰弘
プロデューサー:萩原守
カンテレ「ザ・ドキュメント」2017年8月19日放送
<ザ・ドキュメント公式ページ>
#虐待 #里親 #里子 #大萩茗荷村 #育児放棄
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40人以上の里子を育ててきた高城一哉さん(71)。1982年に障害のある人とない人が共に暮らす共同体「大萩茗荷村」を作った。
今、滋賀県の各地に広がり、およそ20世帯200人になった茗荷村。
虐待問題が深刻化する中で、かつての「障がい者と暮らす村」は、行政から委託される「里子と暮らす村」へと変わっていった。
高城さんは複雑な事情を抱える子供の里親や養父になった。さらに東日本大震災の後は、毎月東北に通い、親と暮らせなくなった子供たちを里親として見守っている。
高城さんが住む障がい者のグループホームに入居しているのが愛結美さん(23)。
両親の虐待の末、小学2年生の時茗荷村にやっていた。高城さんは来て間もない愛結美さんが粗相をしても笑い飛ばした。
「血の繋がらない子をなぜ大切にできるの?」
愛結美さんの問いかけに高城さんは「大事にしてもらったから」と答える。
高城さんは生まれてすぐに養父母に預けられ、実の両親を知らずに育った。だからこそ、里子たちに自分自身を重ね、守りたいと思う。
高城さんは、愛結美さんの母親が写る家族写真を仏壇に飾っている。母親は7年前、自ら命を絶った。
愛結美さんは毎朝仏壇にコーヒーを供えるが、手を合わせることはない。
しかし、犬を大切に育て、「茗荷村」の助け合う環境の中で、次第に人を思う温かい心が育っていく。
愛結美さんの母親から、高城さんはその生い立ちを聞かされていた。
辛すぎる過去があった。「よい親でありたい」という思いとは裏腹に、母親は虐待を重ねた。
亡くなった母への思いを愛結美さんが取り戻すよう、高城さんは見守っている。
愛結美さんは、母親が亡くなった後、「夜空の君へ」という曲を作った。歌詞には、母に伝えられなかった言葉が綴られていた。
茗荷村で“家族”を得た愛結美さんの姿を見つめた。
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