岸田文雄総理大臣は26日、国会で改めて国民に適切な納税を呼び掛けました。「SNS上で『#確定申告ボイコット』という投稿が飛び交っている」という指摘に対して、岸田総理は「国民の厳しい目を感じる」と語りました。
■岸田総理 SNS上のボイコットに危機感
岸田総理大臣は26日の衆院予算委で、「税金は分かち合うもの」と強調しました。
岸田総理
「税は社会を支える公的なサービスをみなで分かち合うものであり、法令に則り、申告納税についてご協力いただくようお願いさせていただく次第です」
立憲民主党 城井崇議員
「総理、今ネット上で『#確定申告ボイコット』という言葉が飛び交っています。この言葉ご存じでしょうか」
岸田総理
「私も承知をしております。こうした事態を受けて改めて国民の皆さんの厳しい目を強く感じている」
岸田総理はSNS上で「確定申告のボイコット」を訴える投稿が相次いでいることについて、危機感を示しました。
■度重なるクレーム…税務署職員“疲弊”
確定申告の窓口では、税務署の職員に怒りの矛先を向ける納税者が相次いでいます。
先週、税務署で働く女性は、「『国会議員が納めてないのに何で自分らが納めないといけんの』みたいなことは言っていた。自分らに言われても困るなというのはある」と訴えていました。
番組は新たに、別の税務署で働くスタッフからも窓口業務の現状を取材することができました。
税務署で働く20代のスタッフは、「クレームする人は興奮していて、何を言っても聞いてくれないので謝り続けるしかない。諦めている職員もいれば、怒鳴られたことに耐えられず、泣きながら逃げてくる職員もいる」と話し、度重なるクレームに職員は疲弊しているといいます。
また、政治家に対しては、「政治家は、税務署職員の業務に波風を立てないようにしてほしい。クレームに対応をすることは、職務上の本分ではないと思う」と訴えていました。
税務署に確定申告に訪れた納税者からは、「(納税を)やらない正当な理由があるなら、その理由を教えていただきたい。私たちは『納付したくない』といって、それで済むことじゃない」、「かなり許せないです、小学生まで知ってます。納税の義務は」、「逃げてばかり、そんな感じがする。もう飽きちゃった」と国会議員に対する怒りの声が上がっています。
■政倫審の日程“野党側と折り合えず”
一方、26日の国会では、「納税は議員が判断する」との驚きの発言で物議を醸した鈴木俊一財務大臣に対し、改めて見解を質す場面もありました。
立憲民主党 城井議員
「鈴木財務大臣が『政治活動に使わなかった残額を、個人の所得として納税を行うかは政治責任を果たすという観点で議員が判断すべきだ』と答弁されました。『納税を行うかは議員が判断』という話であります」
鈴木財務大臣
「『納税するか否かは議員の判断と述べた』。そういうことは言っていない。政治責任を果たすという意味で自ら課税関係をしっかり確認し、法令等にのっとった判断をすることで、疑義を晴らしていただきたいという考えで申し上げた」
一方、立憲民主党の野田佳彦元総理大臣は裏金事件を受けて、自民党が立ち上げた政治刷新本部を厳しく批判しました。
野田元総理
「(政治刷新本部)メンバー38人なんですが、政治とカネを巡る不祥事で名前が出てきた人たちも入っている。汚れた雑巾では、汚れを落とすことはできません」
自民党の石破元幹事長も、この表情。
政治倫理審査会を公開するのか非公開とするのかを巡っては、次のようなやり取りが見られました。
野田元総理
「説明責任というのは誰に果たすんですか。国民のために果たすんでしょう。当然公開すべきじゃないですか。完全公開すべき」
岸田総理
「国民に向けて説明する大変重要な場であると思いますが、適切に国会でご判断されると考えています」
野田元総理
「非公開なんてことを主張しているのは、自民党だけじゃないですか、誰も見ていない所でつぶやいたことが、なんで説明責任になるんですか。(完全公開と)指示するかどうか、それだけ答えてください」
岸田総理
「指示という言葉の定義ですが、私自身、従来からもこれからも本人に対して、あらゆる場を通じて説明責任を果たすこと、働きかけを続けてまいります」
公開を求める野党に対し、自民党は非公開で譲らず、日程すら折り合えていない状況です。
(「グッド!モーニング」2024年2月27日放送分より)
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