横浜市の百貨店で、土用の丑の日に販売されたうなぎで集団食中毒が発生した問題。体調不良を訴える人が新たに14人増え、161人にのぼっていることがわかりました。この食中毒は家庭でも同じ要因で起きる可能性があるということです。
■丑の日のうなぎで食中毒 体調不良者が新たに14人
この問題は、土用の丑の日だった7月24日と25日に、横浜市の京急百貨店内の「日本橋 鰻 伊勢定」で販売された弁当や、かば焼きを食べた人が下痢や嘔吐などを訴え、そのうち90代の女性が死亡したものです。
これまで147人が体調不良を訴えていましたが、京急百貨店は、体調不良を訴える人が新たに14人増えて、161人に上っていることを明らかにしました。
保健所によると、発症者から検出された黄色ブドウ球菌は、化膿した傷口などに多くいる細菌で、手の切り傷などから食品にうつることもあるといいます。
記者
「手袋は着用されていたのですか?」
伊勢定 富田宗一郎 取締役
「手袋の使用は当日にいたってはしていなかったと報告を受けております」
店のマニュアルでは、弁当を盛り付ける際には手袋をすることになっていましたが、実際にはしていなかったということです。保健所が原因を調査しています。
■うなぎで161人が食中毒に 何があった?
井上貴博キャスター:
お店側が、かき入れ時に生産能力を増強させることは往々にしてありますが、その際に品質管理が少し甘くなってしまうことがあるのかもしれません。
土用の丑の日に「うなぎ」で食中毒の被害が出ました。
京急百貨店「日本橋 鰻 伊勢定」では、24日と25日に「うなぎ弁当」など1761個の販売を行いました。
そのうち、現時点で、161人から下痢・嘔吐などの症状を訴える声があり、このうち90代の女性1人が亡くなりました。
食中毒の原因としては黄色ブドウ球菌とされています。
黄色ブドウ球菌は、我々人間やペットの皮膚・鼻の中など、どこにでもいる常在菌です。様々な場所に存在する菌のため、約4割の方が保有しています。
黄色ブドウ球菌で食中毒になるわけではなく、約20度~30度で菌が急激に増殖し、その増殖する過程で毒素が発生します。この急激に増殖してしまう過程を防げば、食中毒につながるおそれはありません。
【食中毒発生件数】(厚生労働省 食中毒統計資料)※2023年4月から
2023年4月~9月 発生件数17件 患者数238人
10月~3月 発生件数2件 患者数22人
■テイクアウトは要注意!?
食品問題評論家の垣田達哉さんによると、「作られた毒素は加熱などでは消えない」と言います。温度と時間を頭に入れることが重要だとされています。猛暑の中での移動は、数時間でもリスクが高く、例え涼しい電車の中であっても菌はゆっくり増殖してしまうそうです。
なので、お弁当などを買って持ち運ぶ際は保冷剤・保冷バックを使うことが良いと言われています。
数十分の持ち歩きだとしても、保冷剤を入れてもらうことが食中毒への対策としていいのかもしれません。
家庭ではどういうことに注意すればいいのでしょうか。
食べ物に付着して増殖してしまうのは仕方がないですが、調理前・調理の途中で必ずこまめな手洗いを心がけてください。
冷蔵庫の開閉をする際に冷蔵庫にその菌が付着していることもありますので、こまめにということです。
あとは基本のことですが、作ったらすぐに食べ、食べられないものはすぐに冷蔵庫・冷凍庫に入れるようにしましょう。
ホラン千秋キャスター:
今回の百貨店での販売だったため、多くの方が手に取ったこともあり、影響が広がってます。毒素は再加熱しても無くならないのですね。
歴史・時代小説家 永井紗耶子さん:
持って帰るときは、冷たい状態で持っていないといけないですね。
私もよくデパ地下に行く時は、たためる保冷バッグを持って行って、そこにさらに保冷剤入れてもらったら、食品を入れてそれをエコバッグに入れて持ち歩くといったことをすることもあります。
少し手間はかかるけど、そのひと手間が家に持ち帰っても美味しくいただけるのかなと思います。
ホランキャスター:
常温でも大丈夫ですと書いてあったとしても、やはり時期的なことを考えると念には念を入れてしっかりと保冷剤・保冷バッグなどを利用した自己管理も必要ですね。
永井さん:
尋常じゃないこの暑さの中で気をつけないといけないことも多いのだと思いました。
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