秋田県仙北市にある角館高校飾山囃子(おやまばやし)部は、部員一人一人が郷土芸能への熱い思いを持って活動している。課題を抱えながらも、未来への“継承”を胸に練習に励む部員たちを紹介する。
迫力ある太鼓に、笛や三味線、そして勢いのある踊りを見せるのは、角館高校飾山囃子部の生徒たちだ。
飾山囃子は、ユネスコの無形文化遺産に登録された「角館祭りのやま行事」で中心的な役割を担う民俗芸能。毎年9月に祭りが行われ、その歴史は約400年。古くから地域に根付いてきた。
飾山囃子部は、地域のイベントなどで披露するために日々活動をしている。部員は1、2年生合わせて13人。ほとんどの部員が高校に入ってからおはやしに触れた。
山本凌久さん(1年):
「僕の地域に三味線をやっている人が少なかったので、少しでも地域に貢献できるようにと思い、三味線を習いにこの部活に入った。少しでも習ったことを生かしてやってみたい」
飾山囃子部のいまの課題、それは3年生10人が引退してからおはやしのボリュームが下がってしまったこと。部長の安達珠空さんは試行錯誤しながら練習に取り組んでいる。
安達珠空部長(2年):
「3年生が抜けてから、3年生がいままで私たちのことを思ってやってきたことを、後輩へとつないでいかなければと改めて実感した。練習開始時間からみんなで集まって目標を決めて、目的意識を持って練習に励むようにしている」
部員たちは祭りへの熱い思いと、これからの世代に飾山囃子の魅力を伝えるため、「継承」を胸に活動を続ける。
安達珠空部長:
「1年の中で角館のまち全体が盛り上がっていて、自分としても1年の中で一番楽しみなことなので、次の世代につなげていきたいと思っている」
部長の安達さんは、地域のイベントを通じて様々な人たちに飾山囃子の魅力を発信していきたいと話す。
安達珠空部長:
「イベントに向けて一人一人が角館の祭りで披露される飾山囃子の曲を練習して、イベントで発表して地域の人たちに披露して、そこからも飾山囃子を広めていけたらと思っている」
郷土の芸能を次の世代へ伝えるために。校舎にはきょうもおはやしの音色が響き渡る。