福岡県の新型コロナの感染者は9週連続で増加し、新たな流行の波が訪れています。新たな変異株「KP3」が猛威を振るう中、医療現場は対応に追われています。
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18日午後、福岡市西区のクリニックを訪れた男子高校生。39度以上の発熱があり、新型コロナの検査を受けました。
■井上さとし内科・井上聡院長
「コロナが陽性でした。」
いま、新型コロナの感染者が急増しています。
■井上院長
「7月に入って、もうかなり大爆発という感じ。少し手が回らない日もあります。」
このクリニックの発熱外来を受診する人は、6月は多いときで一日に10人ほどでしたが、7月は30人以上の日もあるといいます。検査をした6割以上が、新型コロナと診断される日もあるということです。
18日は検査を受けた17人中、6人が陽性と診断されました。
■井上院長
「若い人もいるのですが、最初の印象は学校でのクラスターや職場での感染。あとは、会食中とか人の集まるところの感染。」
その一方で、2023年5月に新型コロナが5類に引き下げられ、治療薬などの公費負担がなくなった影響も出ています。
例えば、コロナ治療薬のゾコーバは、3割負担でおよそ1万5000円かかります。
■井上院長
「コロナの薬を処方となると、薬局に払うお金がかなり高いということで、コロナの薬を希望される方は非常に少ないですね。」
“第11波”とも呼ばれる今回の流行。福岡県内での1医療機関あたりの新型コロナの感染者は、2023年5月の5類引き下げから増減を繰り返していますが、2024年5月から再び増え始め、18日に発表された最新のデータでは14.92人と、9週連続増加しています。
新型コロナの感染拡大を受け、福岡県は18日午後3時から、緊急の会見を開きました。
■福岡県保健医療介護部・佐野正 医監
「この時期、暑いからクーラーかけて密閉する、そういう時期になるので、いわゆる昔の3密という状況が起きやすいという状況が起きやすい、そういう形で増えるのではないか。」
人の動きが活発になるこれからの時期に向け、警戒を呼びかけました。
今回の感染拡大の要因の一つが、新たな変異株「KP.3」です。これまで以上に感染力が強く、熱やのどの痛みなど、その症状は多岐にわたります。
感染症に詳しい専門家は「KP.3」の持つ、免疫を逃れる性質を指摘します。
■長崎大学大学院・森内浩幸教授
「ワクチンを打っていようと、すでにかかったことのある人であろうと、今回のKP3に関してはかかってしまう恐れがある。」
福岡県が新型コロナ患者を調べた結果、「KP.3系」が占める割合は、4月には0パーセントでしたが、最新のデータでは、70パーセントを占めていました。
これから本格的な夏を迎える中で、私たちはコロナとどのように向き合っていけばよいのでしょうか。森内教授は、部屋の換気やマスク着用をバランスよく行った上で、2つのポイントを挙げました。
■森内教授
「リスクの高い人を守るための行動は何なのか。もう一つは、最終的にはそこにつながるかもしれない大きなクラスターを防ぐにはどうしたらいいのか。それは、これまでの経験とか知識で十分に、一人一人が考えることはできると思います。」
夏休みなど大人数で集まる機会が増えるこれからの時期、改めて基本的な感染対策を心がける必要があります。
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