有料化に登山者の人数制限という新たな規制が始まった富士山は1日に山開きとなり、待望のシーズンが到来しました。
■富士山山開き 前日に山頂を目指す人も
1日に山開きの時間を迎えた富士山の山梨県側にある吉田ルート。しかし、天候不良により5合目に向かう道路が通行止めとなっていて午前7時現在、麓から登山口に向かうことはできません。
登山客
「毎年来ています」
「(Q.開山日に?)はい。山の神にお願いするしかないですね」
山開き前日の先月30日、吉田ルートは大勢の観光客でにぎわっていました。ほとんどが外国人で、山開きを待たずに山頂を目指す人もいました。
台湾からの観光客
「きょうは8合目まで登って、山小屋に泊まります」
韓国からの観光客
「かなり寒いと聞いたので、ダウンジャケットとか中に、ウィンドストッパーとか、防水機能が付いてる服にしました」
防寒対策や山小屋の宿泊を予約して万全の準備をして臨む人がいる一方で、山登りをするとは思えないほど軽装で登山道に入っていく人もいました。
先月30日はこうした軽装登山が、いかに危険か分かる場面がありました。
わずかな時間で景色は一変、横殴りの雨が容赦なく観光客を襲います。
先ほど取材に応えてくれた韓国人男性が8合目の山小屋で撮影した動画を見ると、強風に激しく揺れる引き戸、外は真っ白でほとんど視界がありません。軽装だった場合、命の危険も伴います。
■吉田ルート 「通行規制」「通行料」新ルール始まる
近年、富士山では軽装登山だけでなく、「過度な混雑」や夜間に出発し、山小屋に泊まらずご来光を拝む「弾丸登山」が問題となってきました。
そのため、今年から山梨県は新たなルールを設けました。
その一つが、通行規制です。午後4時から午前3時まで5合目の登山道入口ゲートを閉鎖。これによって「弾丸登山」を防ぐ狙いがあります。さらに、一日の登山者の上限も4000人に制限しました。
2つ目が、安全対策などに必要な費用を負担させることです。通行料として1人あたり2000円を徴収。これまで同様、任意で富士山保全のための1000円の協力金も求めていきます。
海外ではすでに登山者に金銭の負担を求めている山も多く、世界最高峰のエベレストでは、ネパール側からの入山料はおよそ170万円とされ、さらに現地のガイドを雇うことも義務付けられています。
通行料について、観光客はこう話します。
ロシアからの観光客
「日本に旅行しにくるのにお金がかかっているから、2000円は大したことはない」
観光客
「自然保護やそういったことにお金を使うのであれば、致し方ない」
一方で、新ルールを把握していない外国人もいました。
オーストラリアからの観光客
「知らなかった。本当に!?」
2000円の通行料はインターネットで事前に支払うこともできますが…。
オーストラリアからの観光客
「日本語のウェブサイト、漢字が苦手だから読めない…。めんどくさい。富士山に行く時に払います」
また、周辺の飲食店からは新ルールへの不安も聞かれました。
エビスヤ 渡辺正己さん
「多い日は(観光客だけで)2回転とか3回転とか。観光客に関しては、(新ルールで)ちょっと減るかなと懸念ある」
(「グッド!モーニング」2024年7月1日放送分より)
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