フランスで現地時間30日に議会選挙が行われ、極右政党の躍進が予想されています。ヨーロッパを覆う極右勢力の影。背景には何があるのでしょうか。
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パリの郊外、ラ・ベリエール市。いまのフランス社会の分断を象徴する場所をわたしたちは訪れました。市長自らが案内してくれたのは、小学校です。
ニコラ・ダンビル市長「これが焼けた学校です。戦場のようです。たくさんの喜び、絵、笑顔、幸福がありました。1年前の暴動の時にすべてが煙となって消えました」
去年、暴徒によって放火されたのです。
去年6月、警察官が少年を射殺した事件をきっかけにフランス各地に拡がった暴動は人々に大きな衝撃を与えました。
暴動はこの街にもおよび学校に放火。警察は他の暴動への対応に追われ、消火活動も暴徒によって遮られました。
ダンビル市長「多くのフランス人が国家が無力であり、国家が限界に来ていることを理解しました」
住民の一人は極右政党への投票にも傾いています。
学校近くに住む女性(「国民連合」投票も検討 )「何か行動を起こさなければならない状態にある。私たちの国にとって、国民連合はよい面もあるからです」
ルペン氏率いる極右政党「国民連合」は、これまで移民排斥など排他的な政策を掲げてきました。
専門家は「治安悪化への不安」が彼らへの支持につながっていると言います。
政治学者アルノー・ベネデッティ氏「治安問題は有権者にとっては大量の移民受け入れと結びつけられる」
「国民議会選挙」でも、マクロン大統領率いる与党が大幅に議席を減らし、国民連合の躍進が予想される事態となっています。選挙結果によっては、移民排斥など極端な政策も浮上しかねないと心配の声があがっています。
記者「パリの中心部では極右政党に反対する集会が行われていて、大勢の人が集まっています」
集会の参加者「人を選別したくありません。フランスはそのようなことをすべきではありません。フランスは『受け入れの地』、そうあり続けるべきです」
岐路に立つヨーロッパの大国。「国民議会選挙」は30日に投票が行われます。
(2024年6月29日放送「news every.」より)
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