介護施設運営会社の元代表による横領事件。卑劣な犯行の手口が見えてきました。
業務上横領などの疑いで逮捕・送検された大阪市鶴見区の介護施設運営会社「アッラサルテ」の元代表・西影由貴容疑者(38)。施設に通う80代の姉妹に「財産を管理する」などと持ちかけてキャッシュカードを預かり、生命保険を解約するなどして、現金約2000万円を不正に引き出した疑いがもたれています。
事件が発覚したのは去年7月。姉妹の知人が受けた一本の電話がきっかけでした。
「姉がぐったりして元気がない」
当時、西影容疑者から紹介されたマンションに暮らしていたという姉妹。部屋にはエアコンが設置されておらず、姉が熱中症で救急搬送されたのです。
知人が西影容疑者に、姉妹から金を搾取しているのではないかと問いただすと。
(西影容疑者とみられる音声データ 去年8月)「(姉妹から金銭管理の)お願いの部分で断り切れなかった部分が正直あったかもしれないですけど。そのあたりも含めて不正をしているなりなんなりという部分に関しては、僕の中でやっているつもりは一切ない」
西影容疑者は「姉妹から金銭管理を頼まれただけ」と否定しました。しかし、このやり取りの数日後、姉妹から知人宛てにこんな手紙が届きます。
(姉妹から知人宛ての手紙)「私たちが望んでいないことをされたことに関して、私たちはとても立腹しています。連絡を取ったりお会いする気もございません」
この手紙について警察は、西影容疑者が事件の発覚を免れるために姉妹に書かせたとみています。また同じ時期、西影容疑者は運営会社の元従業員の女性を、姉妹の妹と養子縁組させていました。養子縁組について姉妹は知人に次のように話していました。
【知人提供の映像より】
(知人)「(元従業員が)おばちゃんの養女になったこと知ってんの?」
(妹)「はい」
(知人)「おばちゃんがOKしてんの?」
(妹)「はい」
(知人)「あいつら無茶苦茶やで」
(姉)「(養子縁組を)させられたんや」
(妹)「神様めちゃくちゃや…」
警察は、西影容疑者が手紙や養子縁組によって姉妹への支配を強め、財産を奪い取ろうとしていたとみて、捜査を進めています。
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