ポメラニアンなど小型犬3匹をビニール袋に入れ、窒息させて殺したとして、元ブリーダーの男が逮捕されました。家宅捜索の際、男が引退した繁殖犬について「もらい手がいない」などと主張する姿をJNNのカメラが捉えていました。
記者
「見えます?犬見えます?」
先月、埼玉県毛呂山町にある犬の飼育施設で行われた警察の家宅捜索。見慣れない面々を目で追ったり、犬たちは一様に落ち着かない様子です。
捜査員
「生きているまま袋しちゃったの?それじゃ息できないよ」
捜査員が語気を強めた相手が、きょう逮捕された男。犬の命を預かるブリーダーでした。
記者
「元ブリーダーの男を乗せた車がいま、警察署に入ってきます」
元ブリーダーの渡部幸雄容疑者(81)。先月、経営する飼育施設でポメラニアンなど小型犬3匹を窒息死させた疑いです。
家宅捜索の際、身勝手な主張を繰り返す渡部容疑者の姿がありました。
カメラマン
「ケージごとビニールに入っているね」
渡部容疑者は犬を生きたままビニール袋に入れ、窒息死させたとみられています。
捜査員
「生きているのにこんなことしていいの?」
渡部容疑者
「だって、もらい手がいないし」
捜査員
「もらい手がいないからってしちゃダメでしょ」
渡部容疑者
「じゃあどうするの?もらい手がいないのに」
ある捜査関係者は、背景に“経営難”があったとみています。
コロナ禍が追い風となったペットブーム。これが落ち着いたことで去年は売上げが激減。犬179匹を抱え、経営は苦しかったとみられます。
警察は渡部容疑者が殺したのは引退した繁殖犬とみています。
捜査員
「(犬を)最後までみなきゃ」
渡部容疑者
「おたく達、給料もらっているでしょ。オレは給料もらえないんだよ。エサ代も15万から30万」
捜査員
「それはわかるんだけどね」
こちら事件とは無関係の別のブリーダー。
事件と無関係のブリーダー 野田雄二さん
「理解できませんね、はい。怒りとかそういう以上の感情になるかもしれません」
引退した繁殖犬でも原則、生涯にわたって飼育するのがブリーダーの「責任」だと言います。
ただ、2019年の法改正では繁殖犬の出産回数や飼育できる犬の数に上限が設けられました。
事件と無関係のブリーダー 野田雄二さん
「大事にしてくださる飼い主様が見つかったら譲渡している。いま、動物愛護法が改正されて(飼育できる)数も規制されている現状では、積極的にお譲りするというのも正解なのかな」
そして今回の事件。捜査関係者によると逮捕前、渡部容疑者は「責任」について、こんな話をしています。
渡部容疑者
「繁殖に使えなくなった犬はもらい手もいないし、エサ代もかかるので、始末するのがブリーダーの責任」
一方で取り調べには、容疑を一部否認。警察は余罪も追及する方針です。
先月の家宅捜索。衰弱の激しい犬17匹が保護されましたが、犬が吠えることはなく、静かに運ばれて行きました。
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