【あえぐ貧困家庭】明日、食べるものがありません…物価高で寄付減少

【あえぐ貧困家庭】明日、食べるものがありません…物価高で寄付減少

滋賀県に住むシングルマザーの田中さん(仮名)は、中学生の娘と小学生の息子二人を育て、月収約20万円で生活しています。生活費を切り詰め、家電や子供の洋服はほとんどが知り合いからの譲り物です。誕生日の祝いもままならない中、物価高が家計に重くのしかかり、特に食費の負担が増しています。成長期の子供たちには「食べるのを我慢して」とは言えず、毎日8合の白米を炊く日もあるそうです。この2年間の生活の厳しさは一層増しています。

そんな田中さんが頼りにしているのがフードバンク滋賀です。このフードバンクは2009年から滋賀県内で活動し、企業や個人から余った食品の寄付を受け、週二回、生活に困っている人たちに無料で配っています。田中さんもこの支援によって生活を支えられています。しかし、フードバンクへの寄付も減少傾向にあり、支援を受ける人々が増えています。

大阪・堺市のフードバンクOSAKAでは寄付の減少により、食品の供給が不足しがちで、支援が難しくなっています。寄付の減少は物価高によるもので、企業も生産を抑えているためです。この状況で食材を受け取りに来た堺市の子ども食堂の運営者は、毎回70人分の食事を提供するために苦労しています。寄付がなければ運営は困難であり、出費も増えています。

全国的にもフードバンクの食料不足が深刻化しています。フードバンク滋賀もストックを消費しながら支援を続けていますが、特に米の寄付が減少し、量を制限せざるを得ない状況です。支援を受ける馬場さん一家も、寄付の減少により食事に困る日々に逆戻りしつつあります。

これまでフードバンクは民間の善意で支えられてきましたが、物価高を背景にその機能が失われつつある今、社会全体で支える方法を考える時が来ています。
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