東京は“出生率0.99”と全国で最も低く、初めて1を下回った。
なぜ少子化に歯止めがかからないのか?子育ての現場で話を聞いた。
6日、取材班が訪れた東京・葛飾区の保育園では、子どもたちが笑顔で遊んでいた。
保護者に「東京の0.99ショック」について聞いてみると、「(Q.子どもは何人?)1人。(子どもは1人で)当たり前だとしか思わなかった。産める環境ではない」、「周りの家庭も子どもは2人か1人のところが多いのは納得がいくのかなっていう感じ」といった声が聞かれた。
「納得」「当然」という声が多かったが、東京都の小池百合子知事は、「なかなか厳しいと思います。1989年に1.57ショックということがありながら、これまであまりそれに対して危機感抱かずにやってきたのではないか」と話した。
どうして東京都の出生率は低いのだろうか?
子育てをする親たちからは、「経済的にやっていけるのかと(不安がある)。共働きで一生懸命やっていかないと…という大変な面もかなり見えるので」、「出費が多ければ多いほど子育ては難しくなる部分は多い。東京に住むことが(子育ての)ハードルになるのではないか」といった意見が聞かれた。
心配の種は、“経済面での不安”。
東京は、地方と比べて物価や家賃が高く、ただでさえお金が必要な子育てまで手が回らないことが、0.99ショックの大きな要因になっているという。
全国的な調査で1番多いのは、「子育てや教育にお金がかかりすぎる」。
つまり、経済的な不安だった。
こうした状況を受けて東京都は、都内の0歳から18歳に年間6万円を支給するなど、独自の子育て支援策にも力を入れている。
それでも0.99ショックが起きてしまったが、小池知事は「しっかりと対策を打ったからこそ、なんとか踏みとどまって、全国の減少の率よりも東京は幅が少ないと思っている」と発言した。
そんな中、補助金以外にも必要とされている支援はないのか?
東京・中野区にある『しらさぎふれあい助産院』を取材した。
この助産院が行っているのは、産後の検診。
赤ちゃんの問診などに加えて、「フットケア」などのちょっと変わったサービスも。
院長の木村恵子院長は、こうした産後の母親に丁寧に寄り添ったケアが出生率の低下を防ぐ“カギ”だといい、「(子育て支援の)お金を配るとか、そうではなくて『また2人目、3人目を産みたい』と思ってくれないとその先がないので、そこが1番大事だと思う」と話した。
また、10日前に2人目を出産した道原寛未さん(37)は、「今回のお産がすごく楽しくて、機会があればもう1人(子どもが)いてもいいかなと」と答えた。
さらに、今回の出生率の発表で見えてきたのは“西高東低”。
地域的な偏りだった。
出生率の上位の都道府県を見ると、九州や中国地方など西日本に多く集まっている。
一方で、出生率の下位の都道府県は東日本や北日本に集中していることがわかる。
一体なぜなのか、芍薬レディースクリニック恵比寿の疋田裕美院長は、「暖かいところの方が外に出やすいので人と出会うこともできるし、生活コストも安くすむ」とコメントした。
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