政治資金規正法改正案が衆院通過、国民感覚とのズレ浮き彫り、政府関係者「こういう形にするしかなかった」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

政治資金規正法改正案が衆院通過、国民感覚とのズレ浮き彫り、政府関係者「こういう形にするしかなかった」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案が衆議院・本会議で採決され、可決しました。野党は「裏金作りの根絶には全く繋がらない」と批判を強めています。

■政治資金規正法の改正案が衆院通過 野党は「検討のオンパレード」と指摘

6日、衆議院・本会議で、自民・公明・維新などの賛成多数で可決した政治資金規正法の改正案。採決に先立つ討論で、野党からは「抜け穴だらけ」との指摘が相次ぎました。

立憲民主党 西村智奈美 代表代行
「抜け道だらけの自民党案では、政治資金パーティーを温床とした裏金作りの根絶には全く繋がりません」

また、野党が疑問を呈したのは、政党から議員個人に支給される政策活動費についてです。

改正案では「10年後に領収書などを公開する」としていますが、野党は「10年後に不正が発覚しても時効で誰も罰せられない」「黒塗りを認める基準をどう決めるのか?」などと問題点を指摘しています。

こうした指摘に対し、5日、岸田総理は…

岸田総理
「具体的な領収書など取り扱いルールは、これから詳細を詰め、合意していくことになる」

野党は「検討のオンパレードで、信頼回復からはほど遠い内容と言わざるを得ない」と指摘していますが、ある政府関係者は…

政府関係者
「時間がない中、幅広い与野党の合意を得ることを考えたら、こういう形にするしかなかった」

法改正を急ぐ結果、詳細が詰められなかったと解説しますが、「生煮え」の内容で実効性のある政治改革となるのか、与野党、論戦の舞台は参議院へと移ります。

■星浩さん「不十分な内容」「自民党のサボタージュ(怠け)」

井上貴博キャスター:
改正案では「10年後に領収書などを公開する」としていますが、10年前には立憲民主党も国民民主党も存在していないので、何の意味を持つのかなという疑問が残ります。

「連座制」も中途半端な形で終わり、企業・団体献金の禁止も盛り込まれないということで、結局、政治資金規正法を改正したという既成事実を作りたいだけなのではないかと思ってしまいます。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
本当に不十分な内容だと思います。タクシーに乗ったときにレシートをもらいますが、おそらく10年も経てば、(印字が)消えてしまうのではないかと思います。1か月ほどでも消えている印象です。そのくらいずさんな内容だと思います。

黒塗りもありだということですが、「黒塗りを認める基準」などを誰が決めるのか全く決まっていません。

実はあまり知られていませんが、総務省の中に「政治資金適正化委員会」という第三者機関があります。そういう機関などを活用して、黒塗りの判断や何年ごろに公開をするか、どういう範囲にするかということを明確にしようと思えば、すぐにできるはずです。そうしないということは、明らかに自民党はサボタージュして、「今のまましばらくお金を蓄えておこう」ということが、ありありと感じ取れます。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年

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