修正に次ぐ修正…“政治とカネ”をめぐる法改正案が5日、衆議院の委員会で可決されました。この改正案、「抜け穴」や「ザル」と野党から指摘されていますが、こうした中、岸田総理の解散戦略が見えてきました。
■自民の修正案 賛成で可決 抜け穴は埋まったのか?
5日、自民党と公明党の国会対策委員会のメンバーにシュークリームが届きました。差し入れたのは岸田総理。国会運営をねぎらったとみられます。
その岸田総理が真一文字に口を結んで向かった先は、異例の取りやめとなった政治資金規正法の改正案を審議する委員会です。
日本維新の会 青柳仁士衆院議員
「この法案の修正協議を行わせていただく中で、自民党 最後の最後まで『抜け穴』をつけようと、『抜け道』をつくろうとしてくる」
賛成に回った維新でさえ「抜け穴だらけ」との指摘が相次ぐ改正案。
岸田総理は「信頼性を確保する観点から案を修正した」と強調しました。
岸田総理
「実効性のある再発防止策・改革案を提案しなければならない、そういった思いで取り組んでまいりました」
街でも疑問の声が…
「自分たちで法律を作るから、抜け道はいっぱいあるのかなと思う。国民にはインボイスでがちがちに固めておいて、自分たちはゆるゆるというのはどうなのかなと」
「また同じ繰り返しになるんじゃないかと懸念」
■修正した改正案は?「領収書は10年後に公開」
3度の修正を経て自民党が提出した改正案は▼パーティー券を購入した人の公開基準額を現行の「20万円超え」から「5万円超え」に引き下げるほか、▼政策活動費については「すべての支出」を対象に領収書などを10年後に公開するとしています。
女性
「なんで10年後なんでしょう。今現在の状況を公開した方が良いんじゃないでしょうか」
改正案は与党のほか日本維新の会の賛成により可決。6日、本会議でも採決され衆議院を通過する見通しです。
法改正のメドが立ったことで、次の注目は、岸田総理がいつ、衆議院の解散・総選挙に打って出るかです。
■解散・総選挙はいつ?
23ジャーナリスト 宮本晴代
「岸田総理は『今は解散は考えていない』と言っていて、9月の総裁選に勝った後、タイミングを探るんだと思います。
ただ、これは岸田さん自らが総裁選に勝つという前提になっているわけです。自民党の中からは『ちょっと甘いんじゃないか』『国民が政治とカネの問題をそんなにすぐに忘れるとは思えないし、ちょっと楽観的すぎませんか』という声が聞こえてきています。そもそも、今回の法改正を巡って自民党の麻生副総裁、茂木幹事長など有力者との溝もできてしまいました。なので、そう簡単に岸田さんが勝てるとは見通せないと思います」
小川彩佳キャスター:
ここに至るまでの長い経過を追ってきましたが、このドタバタぶりをどうご覧になりますか。
ジャーナリスト 浜田敬子さん:
この裏金問題が発覚して半年ぐらい。その間に、なぜこの問題が起きたのかという実態も解明されず、政治とカネの本質的な議論もされず、そもそも、なぜ政治に金がかかるのかということも解明されないままに法案が通されようとしている。
私たちはこの間、自民党に改革の意思もなければ当事者能力もないということはよくわかったわけですけれども、多少修正したからといって、公明党や維新はこれに賛成して本当にいいんですか?と問いたいと思います。
そして解散については、本当に私達はなめられてるのかなと思いますよね。やはり覚えておきたいのは、解散・総選挙がいつになったとしても、この問題は本質的に全く解決されてないという、そのことだけは覚えておかなくてはいけないと思います。
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<プロフィール>
浜田敬子 さん
ジャーナリスト
元「AERA」編集長
元「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長
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