小林製薬の紅麹(こうじ)を原料としたサプリで健康被害の報告が相次いでいる問題です。老舗のしょうゆ製造会社が風評被害で悲鳴を上げています。
■山のように商品届き…倉庫に入り切らず外にも
この問題を巡っては、これまでにサプリを摂取した5人が死亡し、医療機関を受診した人は3日までに1058人に上ったことが分かりました。
紅麹からは青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」とみられる成分が見つかっていますが、原因は特定されておらず、混乱が広がっています。
キミセ醤油
「私どもで健康被害は、おうかがいしていないので。今回の回収は安全を期してという形になりまして…」
鳴りやまない電話の着信音。スタッフ総出で応対しますが、とても手が足りません。
キミセ醤油
「そうですね、やはり紅麹が怖いという方もいらっしゃいますので…」
岡山市に本社を構え、150年以上の歴史を誇る老舗「キミセ醤油」。メインのしょうゆや液体調味料など28の商品を販売しています。
その中に、小林製薬が製造した紅麹を原料にした「みそ」と「ごはん」2種類の商品がありました。
健康被害が報告された紅麹とは品番が異なりますが、「キミセ醤油」では、購入客などの安全を期すために商品の回収を決定しました。
キミセ醤油 永原琢朗社長
「大量に返品されている『紅麹みそ』の一部です」
倉庫には連日、山のように商品が届き、中に入り切らず、外にも積み上がっていました。
回収やそれに伴う返金の費用だけでも莫大(ばくだい)な金額になりますが、さらに追い打ちを掛ける事態が待ち受けていました。
■危機感あらわ…このままでは売り上げ例年の3分の1に
永原社長
「『紅麹は良くないね』とか、もっと残念なのは『キミセ醤油は紅麹が、毒が入ったものを販売しているんじゃないか』とかいう風評がひどいですね」
現在、健康被害は確認されていませんが、早朝から夜中までひっきりなしに電話が鳴り響くなど、風評被害に悩まされているといいます。
“このままでは売り上げが例年の3分の1に落ち込む”と、危機感をあらわにしています。
永原社長
「紅麹を使っている会社だから信用できないみたいなことになるのは本当に残念です。悪くなった風評を戻すのには、何倍何十倍のエネルギーがいるなというのを、まだまだこれからですけれども、強く感じているところです」
「キミセ醤油」では、来週以降に小林製薬と補償などについて協議する予定だということです。
(「グッド!モーニング」2024年4月5日放送分より)
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