各地で見ごろを迎えつつある桜。今年のお花見は、新型コロナが5類になって以来初めてです。桜を目当てにした外国人観光客も大幅に増え、その経済効果は1兆円を超えるという試算もあります。
■桜目当て…訪日客3割増の予想
古の時代から豊穣の神の依り代として、日本の文化に深く根付いてきた桜。新たな門出の象徴であり、儚さの象徴でもあり。皆が桜を愛でる光景そのものが“日本らしさの象徴”でもあります。
パナマから来た観光客
「キレイで、すごくカワイイ。パナマには桜のような木はないので、日本で見られてうれしいです」
オーストラリアから来た観光客
「(Q.オーストラリアにも桜の木が)場所にもよります」「(あっても)数本が1カ所に植えられているだけ。(Q.日本では各地で見られますが)ステキです。桜を見るため4月に来ました」
今シーズンのお花見の経済効果は、約1兆円1358億円と試算されています。去年に比べて2倍近くに増えています。訪日外国人が3割増えると予想されることなどが要因です。
■“花見きっかけ”周辺ツアーも
この機を逃すことなかれ。そんな空気が感じられたのが、桜の名所・千鳥ケ淵です。桜並木をボートから見上げる体験は訪日外国人にも知名度が上がり、千代田のさくらまつりの期間中は常に行列ができるほど。
桜に満足した後に待っているのが“徒歩ツアー”です。千代田区の観光協会が、外国からの観光客向けに企画していて、桜のお花見に限らず周辺の魅力を知ってもらおうという取り組みです。
千代田区観光協会 戸田達弥さん
「もともと外国人のお客様が多い地域とは思うのですが、その中でも外国人が行かないスポットもあって、そこは需要の底上げになったかなと思います」
■「生きているうちに本物の桜を」
こちらも外国人でにぎわう上野公園。インドネシアから来た3人の母娘に出会いました。
インドネシアから来た母娘
「(Q.ここにきた目的は)もちろん桜を見るためです。母が生きているうちに、桜に触れてみたかったと。(Q.どうして桜に思い入れが)母の子どもの頃からの夢なんです」「母は幼いころから富士山に登ったり、桜に触れたり、花見をしたかった」
桜を堪能した3人がやってきたのは、ハラル認証のラーメン店。インドネシアは、人口のほとんどがイスラム教徒。豚やアルコールが使われていないハラルは、インバウンド需要の高まりとともに、あちこちで見かけるようになりました。
インドネシアから来た母娘
「ベリーグッド」「おいしい」
その後、買い物などを満喫した3人。渋谷でも桜を見て、締めくくりに向かったのは目黒川。この日3カ所目の桜でした。まさに“花見ジャーニー”です。
姉 カラティカさん(46)
「母にとって桜を見ることは子どもの頃からの夢でした」
妹 ソフィアさん(43)
「インドネシアでは、母の世代(70代)はテレビでしか桜を見たことがなく、海外旅行に出かける人もごくわずかでした。今は本物の桜を自分の目で見たり、触りに行けます」
母 リンダワティさん(70)
「本当に幸せです」
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