株や投資が注目されるなか、世界三大投資家の一人、ジム・ロジャーズ氏(81)に密着取材しました。日本好きで有名な投資のレジェンドが見通す日本経済の未来とは?
■推定資産は数千億円以上…伝説の投資家に密着
好きな食べ物は「うな重」で、富士登山も経験した日本の大ファン。30歳年下の妻と、60歳で生まれた長女、65歳で生まれた次女の4人家族という元気な大富豪、ジム・ロジャーズ氏。
香港から来た投資家
「彼は投資のレジェンドだ」
“投資の神様”ウォーレン・バフェット氏、ジョージ・ソロス氏と並ぶ「世界三大投資家」の一人とされ、推定資産は数千億円以上。そんな無類の日本好きである、伝説の投資家を独占インタビューしました。
ロジャーズ氏
「日本株は、上がり続ける」
彼が分析する日本市場、日本経済の未来とは?
■ポケットには大量の金貨・銀貨
やってきたのは、アジア経済の中心地・シンガポール。高級住宅街の一角にある、自宅を訪ねました。
ロジャーズ氏
「私は日本が大好きなんです。モシモシ!」
招き入れられた大豪邸。そこには、シルバーとゴールドでできた一対のハクチョウの置き物に、銀色のクジャクやウマ、金色の地球儀。いかにも高そうな調度品も所狭しと並びますが、すべて本物の金と銀でできています。
ロジャーズ氏の上着のポケットには、大量の金貨や銀貨がありました。
ロジャーズ氏
「物価高、インフレが世界中で起きています。これに対処するには、インフレが起きた時に価値が上がる貴金属などの資産を持たないと対処できません」
ロジャーズ氏は、金や銀など貴金属の価値は、今後さらに上がるという考えで、特に銀でできたインテリアを買い集めています。
■1日に密着 運動しながら…時間惜しんで情報収集
アメリカの一般家庭に生まれ、ウォール街で投資家として働いたわずか7年で、数千億円の資産を築いたロジャーズ氏。徹底的な情報収集と分析力で、大金を手にしてきました。
その一日に密着しました。
午前9時。この日は、日本で出版する著作について担当者と打ち合わせをしながらの朝食です。毎朝読んでいるのは3つの新聞。中には、日本経済新聞傘下の英字紙もあります。
ロジャーズ氏
「フィナンシャル・タイムズは、私が知る限り世界最高の新聞。英語の新聞では間違いなくベスト」
朝食の後は、ルーティーンのトレーニング。運動しながらでも、時間を惜しんで情報収集。気になる企業の決算報告書や記事を読み込みます。
ロジャーズ氏
「私が日々投資家として心がけていることは、常に自分の考えが正しいか心配すること。書物を読んだり、実際に人に会ったりして調べあげても、これが本当に正しいのか、常に問いを立てて懐疑的に調べあげる」
午前11時半、スーツに着替えたロジャーズ氏。
ロジャーズ氏
「フジサン!」
富士登山を経験し、大好きな富士山柄のネクタイとサスペンダーを身に着けて向かったのは“外国の要人との会食”です。
移動中も、投資に関するやりとりや、世界中から届く面会を求めるメールに目を通します。
ロジャーズ氏
「多くの人が私に会いたいとメールや手紙をくれますが、全員に会うことはできない。しかし、私は若いころ、多くの人に助けてもらったから、できるだけ多くの人と会って、手助けをしたいと思っている」
■講演料は推定で500万円以上…投資家や大富豪が話を聞きに
今回の要人との会食は国家機密だとして、残念ながら撮影はNG。しかし、別の日、ランチミーティングを特別に取材することができました。
会場は、シンガポールの中心部に位置する会員制ラウンジ。ロジャーズ氏の講演料は、推定で500万円以上。この日は、香港やシンガポールに住む投資家や大富豪が話を聞きに来ていました。
香港から来た投資家
「ジムは投資の世界ではレジェンド。彼のような賢者から知識を得ることは、値段がつけられないほど貴重な経験」
シンガポールの医師
「彼はグローバルな視点にたけている。シンガポールでは、誰もが彼のことを知っている」
■日本の円安株高の状況…注目している日本株は?
投資家として数千億円の資産を築き、今も注目されるロジャーズ氏。現在の日本の円安株高の状況について、どのように評価しているのでしょうか?
まずは、円安について聞きました。
ロジャーズ氏
「今の日本は人口減少が続く中、国が借金を増やし続けている。日銀や政府の政策をみると、明らかに円安を誘導しているよう。今後、何年も円安が続いていくと思っている」
では、株高についてはどう考えているのでしょうか?
ロジャーズ氏
「私は2011年に買った日本株を先月売ってしまった。これは愚かで早すぎた。売り時を間違えた。日本経済はとても順調で、株式市場は値上がりを続けると思う」
株高が続く中、ロジャーズ氏はどのような日本株に注目しているのでしょうか。
ロジャーズ氏
「高齢化が続いていくため、高齢者介護に関する企業ですね。また農業の就労人口は高齢化で減っていますが、食材の需要は変わらないため、農業関係もとても魅力的。円安が進むため、旅行や観光関係にも注目している」
(「グッド!モーニング」2024年4月3日放送分より)
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