あすから4月。新年度のスタートです。それに伴い、様々なものが新しく変わります。
■暮らしに直結!4月から変わること
まずは値上げです。冷凍食品や加工食品、そして酒類や菓子類など、合わせておよそ2800品目が値上げします。宅配便も値上げとなります。ヤマト運輸と佐川急便が4月から値上げします。
値上げだけではありません。女性だけに定められた100日間の再婚禁止期間が廃止となります。
次は年金です。4月から支給額が2.7%増えます。しかし、物価や賃金の上昇に追い付かず、実質目減りとなります。
また、一般のドライバーが自家用車などで客を乗せる「ライドシェア」も4月から東京など4つの地域で導入されます。
働き方改革の一環で、長時間労働が常態化している建設業とトラックドライバーなどの自動車運転の業務は4月から年間720時間、960時間の残業時間規制が適用されます。
この規制でドライバーが不足し、今まで通りに物が届かなくなるなどの「物流の2024年問題」が予想されています。
■医療サービスへの影響…進む効率化
医療従事者にも残業時間規制が適用されます。私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか。医療現場を取材しました。
これまで医師をはじめとする医療従事者の長時間労働によって支えられてきた日本の医療体制。厚生労働省が全国の常勤勤務医の労働時間を調査したところ、「時間外と休日労働時間」が今回の働き方改革で上限となる年960時間を超えている医師は21.2%います。
医療水準を落とさずにどうやって時間外労働を減らすのか各地で模索が続くなか、亀有内科・呼吸器クリニックでは、来月から始まる医師の残業時間規制を前にデジタル化による効率化で対策を進めています。
長時間労働が常態化する背景の一つに勤務医は診察に加えて、診断書作成・カルテ作成などの事務作業も行うことが挙げられています。
これまでこちらのクリニックでは、予約・問診・受付・会計などの患者情報と電子カルテは別々のシステムで管理していたため、医師が手作業で情報の一本化をしていました。それらをすべてデジタル化させ、医療を提供するために必要な情報を集約させたことにより、大幅に残業時間を減らすことができたといいます。
亀有内科・呼吸器クリニック 柳澤治彦院長
「冬からこの時期はかなり繁忙期。熱を出す患者が多いので混み合う時ではあるが、どんなに混み合っても定時から大きく過ぎないので、ほぼ残業なく、1カ月10時間ぐらいで収まっている。皆ハッピーかなと思います」
さらに、患者側にとっても待ち時間の短縮につながるといいます。
患者
「(待ち時間は)かなり短くなっている。(オンライン問診は)どこでもできるので便利。来てからの手間がなくて良い」
一方で、救急医療の“最後のとりで”と言われる救命救急センターなどでは体制が大きく見直されるかもしれないと医療マネージメントの専門家は言います。
国際医療福祉大学大学院 高橋泰教授
「医者の働く時間が短くなるので働く人がいなくなる。どれだけ地域にお医者さんがいて、やりくりができるか。やりくりできないくらい(医者が)減った場合、どこかにしわ寄せがくる。短期的には救急医療ができなくなる病院、今まで夜間診療を行っていたところが診てくれなくなる。たらい回しになる可能性は否定できない」
さらに、緊急を要する外科手術にも影響が出てくる可能性があると指摘しています。
高橋泰教授
「中長期的には、外科の手術が例えば肺がんなら1カ月以内で切ってもらえたのが、2カ月3カ月待ちという形で徐々に長くなっていく可能性がある」
今後、こうした医療逼迫(ひっぱく)を防ぐためには緊急性のない夜間・休日の受診を控えるなど私たちの協力も必要になりそうです。
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