小林製薬は22日、サプリメントの自主回収を発表しました。腎臓の機能が悪化する健康被害が相次いで起きていて、重篤なケースで入院に至った人もいることから、ただちに使用を中止するよう求めています。
■腎疾患相次ぐ…重篤で入院も
小林製薬 小林章浩社長
「弊社が販売する『紅麹コレステヘルプ』を摂取された方において、腎疾患などが発生していて、成分分析した結果、一部の紅麹原料に本来想定していない成分が含まれている可能性があることが判明。お客様の健康被害の拡大を防ぐため、関連製品の自主回収をします」
自主回収を発表したのは『紅麹コレステヘルプ』『ナイシヘルプ+コレステロール』『ナットウキナーゼさらさら粒GOLD』の3つ。コレステロールや血圧を下げる効果をうたったサプリメントです。これまでに106万個が販売され、回収の対象は全ての商品で30万個に上ります。
小林製薬 小林章浩社長
「健康を害されているお客様に深くおわびを申し上げるとともに、使用されているお客様は直ちに使用中止をお願いします」
最初に腎臓の病気が確認されたのは今年1月。現在までに報告されている患者は40~70代までの男女13人です。そのうち、一時6人が入院(そのうち5人退院)、7人が通院が必要になったといいます。心配なのはその症状です。
小林製薬 渡邊淳信頼性保証本部長
「なかには一時的に透析が必要になった方もいます。その方は透析から離脱ができて、今は退院されております。症状は腎臓の機能が悪化するので、むくみが出る、尿が出にくくなる。(Q.今後、症状の広がりは)正直分からない。1人だろうが人数が多いかではなく、ここで服用をやめていただくことで発生を未然にふせぎたい」
サプリメントによる健康被害の可能性に、不安の声も…。
60代
「年齢とともに基礎代謝も落ちてくるし、動くこともできなかったりするので、飲むこともあるが、それを吟味するのは消費者としては難しい」
50代
「信頼して買っていますのでショックですね。体にいいと思って買っているので残念。社会的な信用もあるし、そこを含めて選択しているので本当に残念」
■原因は“未知の成分”?
健康被害を引き起こした原因はなにか。小林製薬では緊急対策本部を設置し、複数の仮説を立てて検証したといいます。
原料の紅麹に由来する病気を引き起こす可能性のある物質や、有害なカビ毒、個人のアレルギー反応などを検証した結果、明確な原因とは言えず。有力な原因として浮上しているのが“想定していない成分”です。
小林製薬 渡邊淳信頼性保証本部長
「本来、我々が想定していない成分が中に含まれているのではないか。まだまだ、これが本当の物質と特定・断定まではできていない。仮設段階では、カビから作られるものがあるのでは」
小林製薬では大学などと協力して、この物質の特定を急ぐとしています。
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