「政治家も大手企業も何やってんだ」天ぷら店は憤り…ごま油値上げで4社カルテルか【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年3月14日)

「政治家も大手企業も何やってんだ」天ぷら店は憤り…ごま油値上げで4社カルテルか【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年3月14日)

 ごま油の大手メーカー4社に対し、不正に価格を調整した「カルテル」の疑いで、13日に公正取引委員会が立ち入り検査を実施しました。長年にわたり続いていた可能性があります。

■大手4社で年間約450億円…市場の大部分を

 様々な料理に欠かせない、ごま油。値上げの波が広がり、手を出しづらい人も多くなりました。

50代
「ちょっと高いので、あんまり買っていないです」

50代
「なるべくいろんなお店を見て、ちょっとでも安いところで買ったりする。ごま油がないと困る。何にでもかけたりする」

 食料品の値上げが相次ぐなか、ごま油は特に値上げが目立ったといいます。

アキダイ 秋葉弘道社長
「ここにある食品すべてがこの数年間で上がったと言って過言じゃない。その中で、ごま油は複数回上がったという状況だと思う。しかも、値上がりの金額っていうのが尋常じゃない。2倍ですよ」

 財務省の貿易統計によると、日本のごまの輸入価格は2021年半ばからの2年半で、およそ2倍に上がっています。

 同時期、大手4社は3度から4度値上げをしていますが、この卸売価格を巡り、“ある疑惑”が浮上しています。それは、大手4社による独占禁止法違反の疑いです。

 13日、公正取引委員会が立ち入り検査に入ったのは「かどや製油」、「竹本油脂」、「九鬼産業」、「日清オイリオグループ」の4社です。4社は、原料であるごまの輸入価格の上昇によるごま油の値上げを巡って、事前に情報交換を行うなどカルテルを結んだ疑いが持たれています。

秋葉社長
「談合みたいな感じで、みんなで上げるのはやめてほしい。最小限の値上げにとどめてほしい」

 4社は、年間およそ450億円のごま油市場の大部分を占めています。これまで4社の間で、価格競争がなかったとすれば、消費者が過大な負担を強いられていた可能性があります。

■「政治家も大手企業も何やってんだ」憤り

 ごま油を大量に使う、天ぷら店の店主に話を聞きました。

天冨久 村口太朗店主
「ごま油だけで、一日5リットル以上使いますから」

 この店では、4社のうち3社のごま油を季節によって使い分けています。ごま油と菜種油をブレンドし、大振りのアナゴ、エビはぜいたくに2尾、鶏や旬の野菜も揚げていきます。

村口店主
「ごまのいい香りですよね。しつこくなくて軽い。いい香り。江戸前の天ぷらにごま油は欠かせないですね。なくてはならないもの」

 昭和32年の創業から、守ってきた“江戸前の味”ですが、ここ数年、ごま油の仕入れ値が高騰したことで、値上げの決断を迫られていました。

村口店主
「原価率に占める油の割合は、天ぷら屋はすごく高い。経営を圧迫するのは確かです。心苦しいけれど、値上げはさせてもらわないと、お店がやっていけないのかなって」

 来月から、天丼など一部メニューを1割から2割の値上げを検討しています。

 苦渋の決断だっただけに、大手4社の独占禁止法違反の疑惑には、戸惑いを隠せません。

村口店主
「(Q.安い価格で仕入れてたとしたら?)年間にしたら相当な差になると思います。賃金も上がって、物価も上がるなら好循環だけど、今この時期にカルテルしていたとしたら、本当に不信感しか抱かないですよね。政治家も大手企業も何やってんだって話ですよ」

 公正取引委員会は、4社間の情報交換が長年にわたり続いていた可能性があるとして詳しく調べることにしています。

 番組の取材に対し、4社は「公正取引委員会の検査に全面的に協力していきたい」とコメントしています。

(「グッド!モーニング」2024年3月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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