数百台のバイクの集団が、高速道路を占拠するように走る。この集団は高速道路上に止まって降りたり、蛇行運転したりするなど迷惑行為を繰り返していた。
■集団の列は…100メートル以上か
ズラーッと並ぶバイクの集団が、高速道路上を埋め尽くしている。
騒音がこだまするなか、高速道路上でバイクから降りて立ち話をしている人や、歩いている人など、まさにやりたい放題。
さらにはバイクを止めて、フェンスのふちに乗っている人もいる。スマートフォンを構え、この集団の様子を撮影している。
この動画は、10日午前9時40分ごろ、近畿道の大阪市平野区あたりを走行中に撮影された。
撮影者
「動画の最後の方に真ん中の車線にはみ出している方もいた。その辺がちょっと危ないなと思って。最後の方は右車線に移っていたとは思いますね」
動画の撮影者によると、バイクの数は数百台にのぼり、集団の列は100メートル以上の長さとなっていたという。
■子どもを乗せて走行…蛇行運転のバイクも
それからおよそ1時間半後の午前11時ごろには、この集団は奈良県に移動していた。
動画撮影者
「年齢層見ると若い20代だけでなく30~40代っていう、ちょっと年いってるみたいな人が多くて」
高速道路のすぐ近くに住む住人は、次のように話す。
高速道路の近くに住む人
「音も大きかったし、長かったので、何事かな?とは思っていて。不安な感じはありましたね」
バイク集団は、危険な行為を繰り返していた。
映像にはバイクだけでなく、黒い車がスピードを上げ、動画撮影者の車の前に割り込み、その後もジグザグに車線変更を繰り返しながら、次々と前の車を追い越していく。
また別の人が撮影した動画には、小さな子どもを後ろのシートに乗せて走るバイクや、蛇行運転しているバイクの後ろに乗っている人は、よく見ると手を放してスマートフォンを操作している様子が映っている。
動画撮影者
「正直怖かったですね。すごい集団だったので。蛇行運転したりだとか、チキンレースみたいに車の隙間を縫って行くように猛スピードで走り抜けたりだとか」
■道の駅に集結…観光バスの駐車スペースに陣取る
料金所ではカラフルで、ド派手な改造をしたバイクが列をなしている。よく見ると、バイクの集団は「ETC専用レーン」ではなく、「一般レーン」に並んでいるのが分かる。
動画撮影者
「たぶんETCが付いていないから、一台一台支払うのに時間がかかったのか。ぜんぜん進まないんですね、料金所出るまで。料金所出るのにも20分とか」
そして午後2時、集団は奈良県内の道の駅に集結していた。
エンジン音を響かせたバイクの集団が、道の駅の駐車場を埋め尽くしている。画面奥には観光バスなどが行く手を遮られる形で動けず、渋滞ができていた。
バイク集団のエンジンの空ぶかしの音はかなりの大きさで、道の駅の店の中まで聞こえたという。
道の駅 従業員
「はっきり言って迷惑ですよね。お客さんとのやり取りが全然聞こえないので」
また集団は、観光バスの駐車スペースに陣取っていたという。
道の駅 従業員
「担当の人がいるんですよ、バスとか誘導する人がね。だから(集団に)何か言ってみえましたけど全然…」
奈良県警によると、110番通報で事態を把握。警察車両4台、8人の警察官が出動したが、警察官の前では暴走行為は確認されなかったという。
■旧車會メンバー「俺らだってうるさい」
この集団は「旧車會(きゅうしゃかい)」と呼ばれ、高速道路や幹線道路で旧型の改造バイクを乗り回している。
茨城県内を走行していた「旧車會」の様子。去年8月には茨城県警が、「旧車會」の一斉取り締まりに乗り出し、集まった14台すべてのバイクに違法な改造が見つかり、整備するよう命令が出された。
この時、取り締まりを受けた「旧車會」のメンバーは、次のように話す。
旧車會メンバー
「(Q.車両は改造されている)そうですね」
「(Q.住民の方がうるさいと)そりゃそうですよ。俺らだって家にいたらうるさいと思います」
大阪府警のホームページには、「旧車會」について、「その迷惑性は暴走族と変わりません」と説明している。
白昼、大阪から奈良へ、危険な運転をしながら移動していったバイク集団。
この日の夜、同一とみられる集団が、今度は大阪の繁華街・梅田に姿を現した。
■専門家「違反がてんこ盛り」
梅田の中心部が爆音に包まれるなか、信号で停車している集団に無数のバイクが合流していく。そして信号が青になり、一斉に走り出していく。
動画撮影者
「本当に爆音みたいな。なんだろなと思って見たら、すごい(数の)バイクの集団がいて『これはただ事じゃない』みたいな感じで」
目撃したタクシー運転手
「やっぱ怖いと思いますよ。みんな大きい音を出して走っていった」
これらの暴走行為について、交通問題に詳しい専門家は、次のように話す。
交通問題に詳しい 高山俊吉弁護士
「総じていえば、道路交通法違反だらけ。違反がてんこ盛りになっていると言っていい。道路交通法の68条に『共同危険行為等の禁止』っていうのがある。共同して著しく道路における交通の危険を生じさせること、著しく他人に迷惑を及ぼす行為をすること。これに当たる可能性があります」
高山弁護士によると、蛇行運転やウィンカーを出さずに割り込むことなどは、「共同危険行為等の禁止」に該当するという。
違反となると、2年以下の懲役、または50万円以下の罰金、さらに運転免許の一発取り消しとなる。さらには…。
高山弁護士
「高速道路は車両停車・駐車は基本的に禁止とされています。かなり厳格な規定です。5年以下の懲役、または100万円以下の罰金。道路交通法の処罰の中で、かなり重いランク」
他にも消音器を取り外している場合は「消音器不備違反」、さらにエンジンを空ぶかししたり、大きな騒音を発生させ、他人に著しく迷惑となる運転は「騒音運転違反」となり、ともに5万円以下の罰金、違反点数は2点となる。
暴走行為が行われた道路を管轄するネクスコ西日本は「高速道路上で駐停車する行為は、他の車両を巻き込んだ大事故につながる恐れのある大変危険な行為であり、絶対にしないでいただきたい」とコメントしている。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年3月14日放送分より)
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