多くの報道陣が待ち構える中、部屋に向かったのは自民党・安倍派5人衆の1人、世耕前参院幹事長。
裏金事件をめぐり14日、参議院で史上初の政治倫理審査会の審査が開かれた。
“裏金”1542万円・世耕前参院幹事長「私自身は、派閥で不記載が行われていることを一切知りませんでした」
冒頭の弁明で、裏金への関与を強く否定した世耕氏。その後も…。
“裏金”1542万円・世耕前参院幹事長「私も残念ながらわからない。誰が言ったか記憶がありません。知らないことは、本当に知らないので」
裏金について「知らない」と繰り返す世耕氏に、質問する立憲民主党の蓮舫議員も苦笑いを浮かべた。
さらに、野党は“過激ダンスショー”についても追及した。
自民党・青年局の懇親会で、女性ダンサーに口移しでチップを渡していた男性が世耕氏の秘書だったことがわかり、釈明に追われた。
日本維新の会・音喜多政調会長「世耕議員の秘書が(懇親会に)参加し、金銭を渡していたことが報じられています。こうした際のお金に、還付金・裏金が使われていたのではないか」
“裏金”1542万円・世耕前参院幹事長「うちの秘書も参加していて、厳重注意・自宅謹慎を申しつけている。還付金(裏金)を原資とするものは、地元を対象にして何か使ったということは1円もありません」
参議院安倍派のトップを務め、2022年までの5年間の裏金総額が1542万円にのぼった世耕氏。
安倍元首相が一度中止を決めたキックバックを、誰がいつ復活させたのか、野党が厳しく追及した。
立憲民主党・蓮舫議員「誰が方向を決めた? 事務方の責任ですか?」
“裏金”1542万円・世耕前参院幹事長「私もはっきり言ってわかりません。なんでこれが突然、安倍さんが『やめよう』と言っていた現金の給付になったのか、私も残念ながらわからない」
立憲民主党・蓮舫議員「あなたの知らないところで誰が決められるんですか?」
“裏金”1542万円・世耕前参院幹事長「誰がこんなことを決めたのか、本当に私自身、はっきり言って知りたいという思い」
キックバック復活の経緯については、2月の衆議院の政倫審と同様、わからずじまいとなった。
世耕氏に続いて政倫審に出席した、裏金411万円の西田昌司参院議員。
うやむやな答弁を繰り返した世耕氏を批判する異例の展開となった。
“裏金”411万円・西田議員「先ほどの世耕さんの答弁を聞いていましたが、わたしもまったく納得できなくて、そのとき知らなくても、どうであったかのか調べて、報告する義務があるのは当然だと思う」
そして、少し緊張した面持ちで政倫審に出席したのは、裏金の総額が参議院で2番目に多い2057万円の橋本聖子元五輪相。
“裏金”2057万円・橋本聖子元五輪相「清和研(安倍派)の政治資金パーティーに関しては、私も還付金(キックバック)の存在自体は知っておりました」
キックバックの存在を認めた一方、裏金との認識はなかったと釈明。
そして、問題発覚当時の胸中を明らかにした。
“裏金”2057万円・橋本聖子元五輪相「一度は国会議員を辞めるべきだということも心に決めたこともありましたけれども、国会議員としての責任・役割を果たしていくべきだという思いになり、今この場に立たせていただいているところです」
さらに野党は、安倍派に強い影響力を持つ森元首相についても追及。
共産党・井上議員「問題の解明のためにも森元首相が説明すると、橋本さんから言われたらどうですか?」
“裏金”2057万円・橋本聖子元五輪相「私自身が政治の道に進めていただいたのも森喜朗先生であり、大変大きな存在であり、指導者。今後どのような形で、この問題が解明されていくのかという状況の中で、私自身あらゆるところでお話しできればと思います」
具体的な言及を避けた。
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