中国で就職難加速…若者が考える“労働”に変化 全人代でもテーマに(2024年3月2日)

中国で就職難加速…若者が考える“労働”に変化 全人代でもテーマに(2024年3月2日)

 5日に開幕する中国の国会にあたる「全国人民代表大会」では、テーマの一つに「雇用環境の改善」が掲げられています。中国では、若者が考える働き方に“変化”が起きています。

 中国では不安定な経済状況が影響し「就職難」が加速しています。就活市場は、「是が非でも就職をつかみ取りたい」若者たちであふれている、と思いきや…。

就職活動中の学生
「残業が多いのは当然受け入れられません。お金を稼ぐために働き生活のためにお金を稼ぐけど、『自分の時間』がないと生活できません」

 就職難の時代にも自分の価値観を優先させる若者たち…。そんな彼らを象徴する場所があります。

 夜になって教室ではメイクのレッスンが開かれています。皆さん熱心に聞いています。

 他にもダンスや楽器の演奏などを学ぶ「夜間学校」が若者の間で人気を集めています。

 去年下半期の検索回数は前年と比べおよそ10倍に増えました。

講師
「眉毛をもっと内側から書きましょう」

 こちらの学校では100以上の科目があり、およそ500人が受講しています。

「小白夜校」運営者 張二白さん
「18歳から35歳の受講生が60%~70%ほど。関心を持つ人が絶えず、新しい生徒が加わっています」

受講生
「(仕事の時間は)はっきり分けます。退勤したら仕事の話はしません。学びつつ新しい友達を作れるのが魅力です」

 中国では過酷な競争に疲れた無気力な若者を表す「寝そべり族」が3年前に社会現象になりました。

 最近ではコロナも落ち着き、価値観が多様化したことで、お金だけではない豊かさを求める若者が増えてきているといいます。

受講生
「ここに来る前の生活は単調で趣味もあまりなかった。コーヒーやテニス、言語などの授業も受けてみたいです」

 中国政府は去年、大学に対し卒業生の就職に責任を負うよう、また、企業に対して雇用を増やすよう求める通知を出しました。

 今年の全人代では、若者の価値観の多様化が進むなか、もう一歩踏み込んだ雇用対策の指針が示されるかが焦点となります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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