東京株式市場では2月22日、日経平均株価が前日比836円52銭高の3万9098円68銭で終え、34年ぶりに最高値を更新した。市場を牽引したのは、米半導体大手「エヌビディア」で、2023年11月~24年1月期で、市場予想を大幅に上回る純利益123億ドル(約1.85兆円)、前年同期比で769%増となった。22日の東京市場は、「エヌビディア」の好決算を受けて、半導体関連株など軒並み上昇し、日本株を押し上げた。
34年前の1989年12月29日、日経平均株価は3万8915円という史上最高値を記録した。米の金融危機「リーマンショック」の後となる2009年3月10日には、最安値の7054円98銭を記録した。しかし、2013年には、「デフレ脱却と富の拡大」の実現を目指す経済政策「アベノミクス」が始動。同時に、日本銀行が市場への資金量を拡大させる「異次元金融緩和」に舵を切り、株価は上向き始めた。新型コロナウイルスの世界的な流行に伴い、2020年2月には、世界的な株価大暴落に直面した。2023年4月は、「投資の神様」と称される米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社が、伊藤忠商事、三菱商事など日本の5大商社株の買い増しを行ったことにより、商社株は高騰、日経平均も上昇軌道を辿っていった。
外国為替市場で進む円安・ドル高が輸出企業の業績を押し上げたほか、日本銀行による「異次元金融緩和」の継続、円安を背景にした株価の割安感などの要因が、外国人投資家の日本株買いに拍車をかけた。また、日本・米国の株式市場の活況にあっても、中国での株安が止まらず、不動産不況の深刻化により経済は失速、中国市場からの投資マネーがシフトし、日本市場に向かったことも大きな要因とされる。一方で、日本銀行の植田総裁は22日、「日本経済はデフレではなく、インフレの状態にある」との認識を初めて示し、マイナス金利の解除が観測される中、金融政策の変更を示唆したとも解される発言に、市場関係者に警戒感が広がる。
長期にわたり低迷していた日経平均株価が、34年ぶりに史上最高値を更新したものの、物価高に加え、賃上げが実現しない状況が継続する。景況感に高揚が見られない現状、株高の背景、中長期の持続性などを識者とともに議論する。
★ゲスト:伊藤洋一(経済評論家)、後藤達也(経済ジャーナリスト)
★アンカー:木内登英(野村総合研究所エグゼクティブエコノミスト)
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