ウクライナ侵攻から2年…増え続ける犠牲 北海道の暮らしにも影響…北方領土の元島民に焦り 北海道からも平和の祈り (24/02/23 21:01)

ウクライナ侵攻から2年…増え続ける犠牲 北海道の暮らしにも影響…北方領土の元島民に焦り 北海道からも平和の祈り (24/02/23 21:01)

ロシアによるウクライナ侵攻から2月24日で2年です。

 北海道の暮らしにも大きな影響を与えるこの戦い。北方領土の元島民や両国の関係者の思いは。そして、戦禍の行方は。

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから2月24日で2年です。

 ウクライナは2023年、領土奪還に向けて反転攻勢に転じてからロシア軍の防衛ラインの一部を突破。

 その後は膠着状態が続いていましたが、先週、ウクライナが防衛の重要拠点から撤退を表明しました。

 厳しい戦況になる中、戦闘を続けるべきか聞くと。

 「ロシアの進軍は止まらない。だから打ち勝たないといけない」(ウクライナ国民)
 「土地のために人の命を失うことに反対だ」(ウクライナ国民)

 取材では、約7割の人がロシアに勝利するまで戦闘を続けるべきだと答えた一方、たとえ一部の領土を放棄したとしても、早期終結を望む人もいました。

 遠く離れた北海道でも現地に心を寄せる人たちが。

 「戦争が2年も続いているのはすごく悲しいこと。とにかく平和で戦争のない世の中であってほしい」(59歳女性)

 「実際どうなっているのかよく分からないなと思っています」「日常がいきなりなくなるのは怖いなと思う」(22歳女性)

 一方、長期化で支援が薄れることを懸念する声も。

 「世界の情勢に翻弄されて埋もれちゃっているような感じがする。いつどうやって終息するのかな」(58歳男性)

 日本ではじめてロシア領事館が開設された地として、ロシアとのつながりも深い函館。

 そんな函館でロシアとウクライナ、両国の料理を提供している「まるたま小屋」の店主・北見伸子さんです。

 2015年にオープンしたこちらの店では、ロシア発祥のピロシキとウクライナ発祥のボルシチなどを販売。

 北海道産の小麦粉や米粉、おからを使ったオリジナル生地に地元食材がふんだんに入ったピロシキ。鮮やかな赤が際立つ野菜たっぷりのボルシチは塩だけを使った、優しい味が特徴です。

 本場の味を求めに連日多くの人で賑わいます。

 「ほぼ毎日、お昼の時間に来ている。いろいろな種類があるので毎日来ても楽しめる」(食事に来た人)
 「とてもおいしいです。あんまりフランスでは見たことない。ここで知った」(食事に来た人)
 
 北見さんは開店以降、東欧の伝統料理を学びにウクライナの首都キーウやリビウのほか、ロシアのウラジオストクを訪れています。思い入れのある両国の戦いに心を痛めています。

 「私の中のウクライナは、本当にきれいでおいしくて、みんなに親切にしてもらって素朴で美しいところだった。(ロシア国民は)加害者側にいるというのは嫌な気持ちになるだろうなと思う。いろいろな意見の人がいるから分からないけど」(まるたま小屋 北見 伸子さん)

 侵攻などの影響で、原材料費の高騰が相次ぎ、この2年で値段も2回にわたって改定。値上げせざるを得ない状況となりました。

 「いつまで続くのかな。みんなが平和になれるように、権力というものを使ってほしい」(北見さん)

 北方領土の元島民も平和を願う日々が続いています。歯舞群島・勇留島出身の角鹿泰司(86)さんです。

 「国民がどんどん殺されていくような状態。(侵攻を)早く終わらせてくれればいいなと思う」(歯舞群島・勇留島出身の角鹿泰司さん)

 安倍元首相が取り組んだ北方領土問題を含む平和条約交渉は、ウクライナ侵攻によって振り出しに戻りました。

 さらに墓参やビザなし交流の再開の見通しも立っていません。元島民の平均年齢は88歳と高齢化が進んでいます。

 「私らはとにかくもう時間がない」
 「本当の領土の土を踏んで、そして墓参したいというこの一心なんです。それがいま、どうにもならない状態になって、もうどうしたらいいのかなって」(角鹿さん)

 戦いの出口はあるのか、専門家に聞きました。

 「プーチン大統領は支配地域を拡大しなければ、停戦交渉などに応じる可能性はない。戦争が終わるときはどういうときかといえば、戦争を続けることの犠牲が両国あまりにも大きすぎると停戦の条件が生まれます。残念ながらロシア側にもウクライナ側にもそれはみられない。出口として出てくるのはさらなる戦争の継続なのです」(千葉大学 藤原 帰一 特任教授)

 侵攻から2年。欧米でいわゆる「支援疲れ」が指摘されるなか、今も犠牲が増え続けています。

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