「高すぎる枕」は脳卒中になりやすいとの研究結果が明らかになりました。専門家によりますと、12センチは要注意。高くなるほどリスクが上がるというのです。
■脳卒中リスク“枕の高さ”と関係が
普段は高さ何センチの枕で寝ているでしょうか。
20代の人
「10…何センチ。若干高め」
「枕、使ってない」
「変わっているな」
■高すぎる枕にご用心「殿様枕症候群」
心地良い枕は人それぞれですが、枕の高さが高くなればなるほど脳卒中のリスクが上がることが分かりました。国立循環器病研究センターが発表した新しい病気の概念。それは「殿様枕症候群」です。
国立循環器病研究センター 田中智貴医長
「江戸時代ぐらいから高い枕は『殿様まくら』というので、そこから名付けようかと」
そもそも日本人の枕といえば、古墳時代の葬送儀礼にみられた「石枕」は低めな印象。しかしその後の時代、髪型が崩れないように高くした箱枕、いわゆる「殿様枕」は、とにかく高さがあります。「殿様枕症候群」はどんなものなのでしょうか。
国立循環器病研究センター 田中智貴医長
「首の血管が裂けてしまうような脳卒中の種類があるが、一部の原因になりそうなものに枕が高いというのが関係していそう」
高い枕を使用することで脳卒中の原因の一つとなる特発性椎骨(ついこつ)動脈解離のリスクが高まるといいます。
国立循環器病研究センター 田中智貴医長
「首が屈曲してしまう、前屈してしまう。首が曲がった状態で寝返りしていると(血管が)痛んで裂けるのではないか」
首が曲がることで骨の中にある血管に大きな負荷がかかるそうです。要注意なのは12センチ以上の枕。研究チームが患者53人を調べたところ、12センチ以上の高い枕を使っている人は18人。高さ15センチ以上の人も9人いたということです。
国立循環器病研究センター 田中智貴医長
「(リスクが)増えていくのは間違いないと統計的に言える」
20代の人
「もう1回、見直そうかな」
殿様枕といえば、江戸時代の随筆にはすでに「寿命三寸楽四寸」という言葉が。長生きには9センチ、楽なのは12センチという意味です。
現代では、夜寝る前のこんな姿勢にも要注意だといいます。
国立循環器病研究センター 田中智貴医長
「自分の好きな時間に映画を見たり、漫画を読んだりできるような時代になっている。姿勢を楽にするために枕などを重ねて後ろに置いている人が多いみたいで、そのまま寝ていると、それが癖になる」
では、どんな姿勢が良いのか…。
国立循環器病研究センター 田中智貴医長
「(Q.理想の枕の高さは?)真っすぐ立っているポジションに近いような形で寝られるような枕を選ぶのが良いのでは」
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