投資だけじゃない…中国人タワマン爆買いは居住目的へ 日本の“安定”“安全”に魅力【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年2月14日)

投資だけじゃない…中国人タワマン爆買いは居住目的へ 日本の“安定”“安全”に魅力【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2024年2月14日)

 中国人による日本の不動産の購入目的が変化しています。中国人富裕層のマンション爆買いの現場に密着しました。

■“聖地巡礼”で大混雑 富士山の前で婚約も

 春節の中国人大移動。日本のこんな場所へも行っています。

 アニメ「スラムダンク」のオープニングに登場し、世界的にも有名になった鎌倉の踏切。春節の今、“聖地巡礼”の中国人観光客が殺到しています。

中国人観光客
「インスタ映えスポットとして、中国でとても有名な踏切。すごく素敵、夢がかないました」

 こちらのカップルも、春節で日本を旅行中です。江ノ島に来る直前、富士山の麓で婚約しました。

中国人観光客 日本でプロポーズ
「富士山でプロポーズしました。中国の有名な歌手に、『富士山下』という曲があります。2人ともこの歌が大好きなので、富士山を見ながらプロポーズしようと計画したんです」

 花火を見ながら、男性がサプライズのプロポーズ。一生の思い出ができました。

■1億6000万円を即決購入 投資ではなく…

 ユニークな個人旅行が主流になり始めた今、こんな中国人の姿もありました。

 場所は、東京ドームに程近い一等地。上海でネット通販の会社を経営する李さん(40代)は、家族同伴で高級マンションを探しにやってきました。

李さん
「とてもいい物件ですね。駅から近くて便利です」

 間取りは2LDKで、72平米。1億6000万円のマンションを即決で購入しました。

李さんの妻
「この部屋、寝室としても使いやすそうね」

李さん
「値段もお手頃だしね」

 円安メリットのおかげで、中国よりも、日本の不動産の方がお得感があるといいます。

 やはり、「投資目的」で爆買いかと思いきや…。

李さん
「投資ではなく、『自分が住むために』買う」

 40代の李さんは、妻と中学生の娘の3人家族。JR水道橋駅に近いタワーマンションを選んだのは、近くに学校が多いことが理由でした。

 娘の教育は、日本で受けさせたいとも考えています。

李さん
「これからは上海と東京を行き来する生活です。日本の永住資格も取りたいので、条件をクリアするために、東京に滞在する日数も増えるでしょう」

 すると、李さんは不動産会社の担当者と何やら相談を始めました。

李さん
「日本の永住資格を取りたがってるなんて、言ってよかったのかな」

担当者
「日本でも会社を設立したし、今後、事業展開する可能性もありますよね」

李さん
「そうだね」

 上海拠点のビジネスを、ゆくゆくは日本を中心に動かす考えもあるといいます。

李さん
「私は上海で、ある程度の規模の会社を経営しています。そんな立場にありながら、日本で居住目的のマンションを買うのは、中国ではとてもセンシティブ(敏感)な行為なんです」

■「日本に住みたい」 “安定性”に魅力

 投資ではなく、居住目的で日本の高級マンションを購入する中国人富裕層。それは、香港の投資コンサルタント会社に勤めるシーさん(40代)も同じです。

シーさん 香港在住(上海出身)
「結構、いい物件だと思います。視野(景色)が良くて遠いところまで見えます。仕事が終わったら、癒やされますね」

 学生時代に日本で過ごしたため、日本語も堪能です。

 物件は、西新宿の一等地にそびえるタワーマンション。間取りは3LDKで、92平米。1億8000万円を即決しました。

シーさん
「いつか日本に戻って住む予定です。まずは投資。物件を準備しておいて、将来戻って住む所にしたい」

 日本の経済・社会の安定性に魅力を感じているといいます。

シーさん
「やはり安全性は非常に大事だし、居心地がいい所がいい。住む目的だったら、それは大事」

■「住むため」物件購入 ここ数年で加速

 取材した中国人の物件購入を仲介したのは、東京・上野の不動産会社です。

不動産会社YAK 越水亮社長
「弊社は、8割のお客さんは外国籍、中国籍です」

 営業スタッフもみな中国出身です。業績は好調です。

不動産会社YAK 営業スタッフ
「売り上げですか…言っちゃっていいんですか?先月、私が売ったのは、3.5億円」
「私も同じくらい」

 投資だけではなく、日本に住むためにマンションを買う中国人が増えたのは、ここ数年の動きだといいます。

越水社長
「日本はずっと安全で投資もしやすい国。中国人は日本で将来生活することに魅力を感じている。投資だけという目的は(今は)主流ではない」

 生活の拠点を日本に求め始めた、中国人の富裕層。その背景について、専門家はこう話します。

中国社会に詳しい 東京大学 阿古智子教授
「(中国は)経済的に厳しい状況にあり、国家運営の先行きが厳しいなか、自分も巻き込まれるリスクを考えると国外に拠点があった方がいい。不動産に投資ではなく、自分が何かあった時に使えるようにしておく動きが増えていると思います」

(「グッド!モーニング」2024年2月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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