2023年の名目GDP(国内総生産)で、日本はドイツに抜かれて世界4位となりました。今後も他国に抜かれるとの予測もあります。経済評論家によると、再浮上へのポイントは「消費の意識」と「賃上げ」。「円安を味方にすべき」との声もあります。
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■GDP転落も株高…日本経済に何が?
有働由美子キャスター
「名目GDP(国内総生産)の世界ランキング(名目ドルベース)で、日本は2009年まで2位だったのが2010年に中国に抜かれて3位になりました。15日に明らかになった最新の2023年のランキングではドイツに抜かれ、4位に転落しました」
「GDPは、国がどれだけ儲けを生み出したかを表す大きな指標です。15日も日経平均株価がバブル後最高値を更新している一方で、日本経済に何が起きているのでしょうか?」
■比較はドル換算 歴史的な円安で転落
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「日本が4位に転落した理由の1つは円安です。15日も1ドル150円台と歴史的な水準の円安・ドル高が続いています。GDPは世界で比べる場合はドル換算のため、今は円安で円の価値が低いことから、日本は大きく下がってしまいました」
有働キャスター
「すると、順位は下がったものの経済は大丈夫ということですか?」
小栗委員長
「そうとも言えないようです。経済評論家の加谷珪一さんは『ドイツの経済規模はこの30年間で2.3倍に拡大したのに対して、日本は0.9倍とむしろ縮小している。つまり世界で、日本だけが経済成長していない。このままではどんどん追い抜かれる』と話します」
「実際、IMF(国際通貨基金)も、日本は2年後にはインドにも抜かれて5位に転落すると予測しています」
■キモは「消費の意識」と「賃上げ」
有働キャスター
「なんとかする方法は…?」
小栗委員長
「加谷さんによると、ポイントは『消費の意識』と『賃上げ』です。GDPは、私たちがお金を使うことで上がります」
「例えば日本製品を買ったり、どちらにしようか迷った時には少し贅沢な方を選んだりと、消費の意識を持つことが重要です。そのためにも賃上げが必要だと加谷さんは指摘しています」
有働キャスター
「いつも言われますが、賃上げがないと『消費の意識』にも向かえませんし、(まず大事なのは)賃上げですよね」
小栗委員長
「今日本は少子高齢化で、消費する人も働き手も減っています。そのため、企業の賃上げでなんとか消費を拡大していくことが大切だといいます」
■日本経済を押し上げるインバウンド
小栗委員長
「一方で、みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井エコノミストは、『日本のGDP転落の原因になった円安を味方にするべきだ』と指摘します」
「今日本経済を押し上げているのがインバウンドです。酒井さんは『円安の影響で財布のヒモが緩んでいる外国人観光客一人ひとりの消費を増やしてもらって経済を回すべきだ』と話しています」
■廣瀬さんに聞く…「賃上げ」可能?
有働キャスター
「廣瀬さんは経営者でもいらっしゃいますが、賃上げにはどういうお考えですか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「賃上げしたいのですが、ボーナスを上げるのはいいものの、雇用の維持を考えるとベースアップは少し怖い印象がありますね。体力ある大きい企業がどんどん(賃上げを)やりだして経済が循環し、その流れで僕たちにも、という流れができるといいなと思います」
有働キャスター
「この春の賃上げがきちんと続くかが、好循環に進むか、ダメかの本当の正念場です。これは皆さん共通の思いでしょうから、日本全体が賃上げできるように、大企業は中小企業との取り引きで値切らないようにお願いします」
(2024年2月15日放送「news zero」より)
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