旧統一教会との関係を追及されている盛山文部科学大臣です。7日は「薄々思い出してきた」と述べていましたが、8日は「覚えていない」と発言を後退させました。
■「うすうす」 一転「覚えていない」
果たして、記憶はよりはっきりしてきたのでしょうか。
立憲民主党 藤岡隆雄衆院議員
「いわゆる統一教会、旧統一教会関係者からの電話掛けの支援を受けていたことを確認していただいたと思うが」
盛山文部科学大臣
「当該団体に選挙支援を依頼した事実はなく、事務所等で旧統一教会の関係者が電話をしていたという事実は確認されておりません」
藤岡衆院議員
「電話の支援を受けていたという事実の可能性は否定できないということでよろしいですか」
盛山大臣
「私どもが関与していないことについては、分からないとしか答えようがございません」
盛山文科大臣は、旧統一教会側との事実上の「政策協定」にあたる推薦確認書にも署名していたと報じられています。
旧統一教会側との面会について7日は…。
盛山大臣
「報道があるまで、正直、覚えておりませんでした。写真を見て、こういうことがあったのかなというふうに薄々思い出してきたということでございます。こうやって推薦状をちょうだいしている写真があるところを見るとサインをしていたのかもしれませんが、よく覚えておりません」
■記憶は戻らず…推薦確認書捨てた?
一夜明け、事実は確認できたのでしょうか。
盛山大臣
「私が推薦確認書なるものにサインをしたかどうか、正直、覚えておりません。推薦書は(各種団体から)200通を超えるものをちょうだいしているので、選挙が終わった後、すべて破棄したということです」
記憶は戻らず、証拠となる推薦確認書そのものも捨てたとしました。
立憲民主党 源馬謙太郎衆院議員
「そうした団体の政策協定書とか推薦確認書も適当に中見ずにサインするんですか」
盛山大臣
「それはケース・バイ・ケースでございまして、内容によっては『これは私にはできません』ということでお断りしたこともございます」
源馬衆院議員
「旧統一教会関係の推薦確認書は断らなかったということですね」
盛山大臣
「そのサインをしたかどうかについては全く記憶がございません。記憶がございません。推薦状の条件として確認…協定ですか、これにサインをしたのではないかと、そういうふうなお問い合わせでございましたので、そうだったのかもしれないと申し上げたわけでございます」
■推薦確認書に署名して1年たたず…
文部科学大臣は、旧統一教会への解散命令請求を担当する大臣です。
藤岡衆院議員
「推薦確認書に署名されていたとしたら岸田総理は大臣任命されたと思いますか」
盛山大臣
「失念していたということでございまして、私自身が2022年9月の自民党の調査に対して意図的に虚偽報告をしたということではありません」
盛山文科大臣が、旧統一教会側の推薦確認書に署名をしたとされるのは、2021年の衆院選の時…。それから1年たたない自民党の点検の時にはすでに忘れてしまっていた、ということです。
立憲民主党 鈴木庸介衆院議員
「選挙の時に推薦団体とかリストも作らない事務所ということなんでしょうか」
盛山大臣
「もう選挙の最中でばたばたしておりますので、うちの事務所ではとても作る余裕がなくリストは残念ながらございません」
■総理が“恐れる事態”…辞任ドミノ?
旧統一教会との関係を追及されている盛山文部科学大臣について、政治部官邸キャップ・千々岩森生記者に解説してもらいます。
盛山大臣の答弁、かなりあいまいですが、岸田総理はどう対応していくのでしょうか。
千々岩記者:今のところ、更迭するつもりはないというか、正確に言うと辞めさせられないというところかもしれません。盛山大臣、いま問題が出ていますが、7日になって林官房長官のことも出ました。盛山大臣をもし辞めさせると、「林官房長官もどうなの」と。辞めさせなくてはいけないとなると“辞任ドミノ”の可能性が出てくる。これ恐れているわけなんです。
林官房長官が後ろに控えているのが大きい?
千々岩記者:やっぱり官房長官は最も重要といってもいいかもしれないです。この前、松野元官房長官を変えたばかりですね。
■官邸「旧統一教会側からのリークでは」との見方
後ろにもドミノがあるようにも見えますが…。
千々岩記者:そうなんです。その官邸を今取材していますと、今回の疑惑というのは旧統一教会側から情報が出てるんじゃないか、言ってみればリークなんじゃないのかと疑いを持っています。そうなると今この2人(盛山大臣・林長官)ですが、もしかしたら来週は3人目、4人目とどんどん出てくるかもしれない。そうするとまた、どんどん辞めさせなければいけないかもしれない。だからこそ、盛山大臣を守るしかないという状況なんです。
リークだとしたら官邸側は旧統一教会にどう対応していくことになるんですか?
千々岩記者:官邸側は今、言ってみればテンションが上がっています。総理周辺の言葉ですが、「旧統一教会とはもう徹底的に戦う」と。財産を徹底的に洗って「1円たりとも韓国に送金させないんだ」と、こんな言葉も出るくらい徹底交戦(の構え)、こんな雰囲気です。きのう、きょうと、このテンションがどんどん上がっている感じです。
■問題は…盛山大臣“事実を隠していたか”
テンションが上がっているという、その構図は分かるんですが、元々は「盛山大臣が2年前のアンケートに正しく回答していなかったんじゃないか」という疑惑ですよね?
千々岩記者:そうですね。その時にちゃんと言っとけばよかったじゃないかという話なんですが、この関係があったかないかということが問題ではなくて、分かっていて隠していたんじゃないか。答弁が二転三転するたびに、どんどんどんどんその疑惑、疑いが膨らんでいくということです。盛山大臣は旧統一教会に対して解散命令請求を出した、厳しい姿勢は示した当の大臣です。手心を加えたということはないと思うんですが、ただ「知っていたんじゃないか」「隠していたんじゃないか」、この疑惑は今どんどん膨らんでいるということなんだと思います。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年2月8日放送)
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