中国の景気回復が進まないなか、今、若者の間で特殊部隊のようなハードな節約旅行がブームとなっています。
■GDP成長率プラスも…コロナ禍前より経済悪化
大量のごみが路上に広がっています。自治体が衛生施設の労働者に3カ月分の給与を滞納したため、集団ストライキが発生し、路上のごみが放置されています。
北京で飲食店を経営している店主は、コロナ禍前より経済が悪くなったと言います。
飲食店店主
「(Q. 皆が節約していると感じている?)はい。来る人は少なくなった。家賃は高いし、売り上げが良くない」
市民の節約志向も高まっています。
市民
「毎日ご飯を食べて、たばこを吸うだけ。他のところに金を使わない」
中国国家統計局は17日、去年の実質GDPが前の年と比べてプラス5.2%となり、目標を達成したと発表しました。
しかし、前の年が移動を厳しく制限する「ゼロコロナ政策」によって低い成長率だったことから今回、目標の数値を達成できたとみられています。
ANN中国総局 井上桂太朗
「中国で生活していまして、景気がいいというふうな話はやはりあまり聞かないですね。先行きに対して不安を持っている方が多い印象です」
■まるで“特殊部隊” 詰め込み旅行が人気
そんななかで、若者を中心に流行しているものがあります。
ANN中国総局 井上桂太朗
「特殊兵式旅行は、去年はネットの流行語でランクインするぐらい、中国の方たちの中では流行った言葉」
「特殊兵式旅行」とは、一体どんなものなのでしょうか。
ユースホステル オーナー
「夜中の2時に到着し、朝6時に出発していった人もいます。少しだけ休息を取るためですね」
特殊兵式旅行とは、まるで特殊部隊のように睡眠時間を抑え、ゆっくり食事を取ることはせず、短い時間で多くの観光地を巡り、旅費を抑えるスタイルです。
特殊兵式旅行中の人
「何を食べるか、そんなに気にしない。一日3食なくても大丈夫ですね。時間を十分に使って、効率よく観光地を回ることが旅行の目的」
限られた休みや予算でも、リフレッシュをしたいと交通手段やホテルで節約をして旅行を楽しむ人が多くなっています。
お金のかかる国外より国内旅行が人気で、最低気温がマイナス30℃近くになる日が続くハルビンのユースホステルでは、1カ月以上、空きがない状態だといいます。
ANN中国総局 井上桂太朗
「地方政府がPR動画っていうのをどんどん出しているんですね。今のトレンドとして、特殊兵式旅行っていうのは、これからもしばらく続くんじゃないかなとは思います」
(「グッド!モーニング」2024年1月18日放送分より)
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