自民党の裏金事件を受け、岸田文雄総理大臣は「政治刷新本部」の初会合を開きました。かつて政治と金を巡って問題になった議員などもメンバーに選ばれ、街の人からは疑問の声も上がっています。
■維持?解消? 最大の焦点は“派閥の在り方”
岸田総理の本気度が試されています。
政治刷新本部 本部長 岸田総理
「政治資金の透明化の拡大ですとか、あるいは政策集団の在り方に関するルール作りですとか、幅広くこの議論を深めて頂きたい」
派閥の政治資金パーティーを巡る事件を受け、自民党に設置された政治刷新本部の初会合。このまま派閥を維持するのか、解消するのか…。最大の焦点は、派閥の在り方です。
しかし、出席者によると、岸田総理から踏み込んだ発言はなく、厳しい意見も出たといいます。
無派閥議員(出席者によると)
「『今を乗り切れればいい』といった姿勢では、将来的に禍根を残すことになる。きょうの総理の冒頭の発言は、『派閥ありき』ではないか」
■最高顧問の麻生氏と菅氏 考えが正反対
初会合を終えて…。
自民党無派閥 政治刷新本部メンバー 小泉進次郎元環境大臣
「派閥はなくしたらいいんじゃないか、そういった発言はさせてもらった」
自民党無派閥 政治刷新本部メンバー 三原じゅん子参院議員
「派閥の解消を含めて、まずそこから議論してほしい」
無派閥の議員から「派閥は解消すべきだ」との声が上がる一方で…。
自民党安倍派 政治刷新本部メンバー 太田房江参院議員
「(Q.派閥解消について)それは少し議論をしないといけないと思います」
自民党幹部
「派閥維持とか、派閥の解消に否定的な意見も当然あった」
自民党中堅議員
「3人寄れば徒党を組むものだから、派閥の解消は難しいだろう」
議論は難航することが予想されます。
そもそも、刷新本部の最高顧問に就任した麻生太郎副総裁と菅義偉前総理では、考えが正反対。派閥の解消に否定的な麻生氏に対し、菅氏は「派閥は解消すべき」と明言しました。
菅前総理
「自民党として、何をどうして対応していくかということを明確に打ち出すべき。非常に分かりやすいのが派閥の解消」
■38人中、安倍派10人 街の人から疑問の声
刷新本部のメンバー構成にも、疑問が噴出しています。
麻生氏や茂木敏充幹事長、森山裕総務会長という、派閥のトップが3人含まれているほか、38人のうち、現職議員も逮捕された安倍派の議員が10人も選ばれたことに、街の人は…。
20代
「ルールを守っていない人が、ルールを変える側にいるのはおかしい」
20代
「どれが真実か正直分からない。カメラの前で政治家がしゃべることは本当なのか」
さらに、2014年、“政治と金”の問題で経済産業大臣を辞任した小渕優子氏や、去年フランス視察が観光旅行と批判され、“エッフェル姉さん”と呼ばれた松川るい氏も名を連ねています。
50代
「もっと新しい人が出てこないのか。過去に問題を起こした人が入っているのは信じられない」
30代
「イメージの問題もあるので、(刷新本部入りは)やめた方がいい。結局また同じことの繰り返しになると思う。本当にイメージを変えたい、国を変えたいのであれば、そういうところから改善した方がいい」
■踏み込んだ議論は? 政治ジャーナリストに聞く
政治刷新本部では、どれだけ踏み込んだ議論が行われるのでしょうか。
政治ジャーナリスト 細川隆三氏
「(議論は)まとまらないです。岸田総理総裁本人が議論をリードし、結論の方向性を示さない限り、国民が納得する議論を導き出すのは難しい。形を変えて派閥は残るという決着にならざるを得ないんじゃないか、このままでは」
刷新本部のメンバーについては…。
細川氏
「最近いろんな問題を指摘された議員は、お控えになった方がいいような気がする。はっきり言うと、“エッフェル姉さん”と言われている松川議員。問題になったが、それを払拭するくらいのお考えを聞いてみたい」
(「グッド!モーニング」2024年1月12日放送分より)
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