「弟が母親をかばって…」能登地震 72時間超で“奇跡の救出”【スーパーJチャンネル】(2024年1月5日)

「弟が母親をかばって…」能登地震 72時間超で“奇跡の救出”【スーパーJチャンネル】(2024年1月5日)

 がれきの下敷きになってから丸3日以上。無事に救出された女性の当時の状況が明らかになりました。女性の息子が覆い被さり、がれきから守っていたことが分かりました。

■地震5分後“津波の瞬間”

 1月1日午後4時15分、地震発生直後に撮影された映像。石川県珠洲市の海に近い一帯は水にのみ込まれました。津波です。住宅の2階に逃げた住民が撮影しました。轟音(ごうおん)とともに水は激しく流れ、青い車が流されていきます。

漁港近くに住む人
「たちまち、すぐに来た。この高さまで津波が来た。あそこの家の住民が道路を歩いていたので3人、家に上がってもらって、5人でそこのベランダから見た」

 珠洲市では1人が津波で流されたという情報があり、海上保安庁が捜索を続けています。

 一日一日、亡くなったことが分かった人も増えています。輪島市では50人以上です。

■「輪島朝市」1200年の歴史が…

 大規模な火災もありました。能登半島の観光を代表する輪島の朝市一帯です。輪島の朝市は平安時代に始まったとされ、1200年以上の歴史を誇ります。新鮮な野菜や海産物が並ぶその通りは地元の台所でもあり、いつも多くの人でにぎわっていました。今、ほとんどの建物は失われています。

朝市によく訪れていた人
「まさか元旦にこんなになるとは…。本当に言葉になりません…」

■能登地震 72時間超で救助

 朝市通りから川を挟んだ町の西側では4日午後4時半ごろ、89歳の女性が助け出されました。生存率が大きく下がるとされる地震発生からの72時間がすぎたころです。

救助された外節子さんの長男 外武志さん(60)
「1階が本当ないんで、ちょっと本当によくこんななかで助かったなっていうのが、今でも本当に信じられないですね。1階がない状態で、どうして助かったんだろうっていう。本当にそれを救助して下さった消防の人たちには感謝です」

 外武志さんは救助された女性の息子です。家は平屋のように見えます。ただ本来は2階建てでした。女性は1階の居間にいたといいます。

救助された外節子さんの長男 外武志さん
「あの押し入れの下ぐらいが本当に居間のところなんで、よくこの状態で本当に助かったなと。今でも信じられないんですけど」

■「弟が母親をかばって…」

 助かった命。そして失われた命もありました。

救助された外節子さんの長男 外武志さん
「母親は救助されたんですけど、弟…。弟が母をかばっていて…それで母は…大丈夫だったみたい」

 家には母親と一緒に2歳年下の弟、外忠司さん(58)も暮らしていました。

■がれきの下で息子が母親守る

 武志さんが手にしているのは弟・忠司さんに贈られた賞状です。

救助された外節子さんの長男 外武志さん
「自衛官で、30年勤めた時に。私もこれを見るのは初めてなんですけど、頂いたものみたいですね。割と関西方面にずっと勤務していて、阪神(大震災)の時は自分が助けに行った立場だったのが、今回は願いかなわずになりましたけど」

 退官し、輪島市に戻ってきたのは3年ほど前。この家でずっと暮らしていくはずでした。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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