2024年、日本経済はどうなるのか。
その鍵を握る企業のトップに直接聞いた。
5日、都内で開かれた経済3団体による恒例の新年会に、経済界のトップら1,500人が参加した。
岸田首相「日本経済に目を向けても、この令和6年は極めて重要な1年となります」
2024年の元日に起きた能登半島地震をはじめ、今もなお続くウクライナ危機、イスラエル情勢など不安要素が渦巻く中、さらに2024年は世の中が大きく変わる可能性のある出来事も控えている。
そこで「Live News α」は、企業トップに2024年のキーワードを挙げてもらい、それにどう対応していくのかを聞いた。
トヨタ自動車・佐藤恒治社長「2024年問題に、ともに創る“共創”で対応する。ひとつの企業、特定の産業だけで解決できる問題ではないので、『未来をみんなで創る』という意味で、ともにこの問題に向き合って連携して解決しようと」、「(“共創”をかなえるためのカギは?)個々の利益より、目的を共有することだと思う。目標はあまり立てすぎると目標を達成するための手段になってしまう。何を目指すべきなのか、みんなが理解をして自分たちにできる何かを提案していく」
同じく2024年問題について触れたのが、ローソンの竹増貞信社長。
ローソン・竹増社長「実は今、毎日チルド製品、これは1日に3回配送している。これが来たる3月に全国で2便化になる。これで配送効率が上がり、CO2も削減でき、ドライバーの働き方改革にもつながってくる。さらに他社とも『一緒に運べませんか?』と。例えば都内とか店舗数が、密度が高いところは、結構、満載でトラックは走っている。でも地方に行くと、ちょっとすいていたりする。これ実はわれわれだけじゃなくて、皆さん同じ問題を抱えている。社会課題や日本の大問題、そういうことは1社よりみんなでやった方が効果が出る」
大和証券グループ本社の中田誠司社長は、「物価高(インフレ)に資産運用で対応する」と語った。
大和証券グループ本社・中田社長「日本は長らくデフレの経済だった。ところがこれから物価高、いわゆるインフレの時代に入るので、キャッシュよりも物の価値が上がる可能性がある。いろんな資産運用をしながら、インフレ率以上に資金運用していかないといけない。ことしは『辰年』なので、『竜が天に昇る』ではないが、全てが上昇する年にしたいと思うし、そういうチャンスがめぐってきている」
伊藤忠商事の岡藤正広会長も“上昇”に注目していた。
伊藤忠商事・岡藤会長「日銀の金融政策、金利が上がると。これに対し、われわれは生産性を上げる。つまり、ROE(自己資本利益率)をあげる経営で臨みたい。今までのような働き方ではなく、働き方改革から改善していかないと、それは一朝一夕にはできない。残業するなら、朝早く来て早く帰るようにしないと。残業というのは『悪』ですから、これはやっぱりダメ。残業は廃止しないとあかん。われわれの経験では、働き方を変えたことで、すごく生産性が上がった」
2024年を取り巻くさまざまな情勢。
DeNAの南場智子会長は、「不確実性に攻めの姿勢で対応する」と表現した。
DeNA・南場会長「社会情勢、国際情勢、金融情勢もそう。テクノロジーの進化も非常に早い1年になると思う。いろんな不確実な要素で、おそらくここまで激変が予想される年はなかなかないのではと。そこに『世の中どうなるのかな』と、待ちの姿勢ではなく、逆に自分たちの提供しているプロダクトでイノベーションを起こし、攻めていく姿勢が重要。新しい技術を用いて生産性を格段に改善するとか、プロダクトの価値を格段に上げていく、世界の市場で競争力を強化していかないと、稼ぐ力がつかない。日本企業、この30年間、世界の競争でおおむね負けている。そこを反転しなければ、賃上げだけしても続かない」
ANAホールディングスの芝田浩二社長は、戻りつつあるインバウンドに対し、2月に立ち上げるANAグループの新航空会社への期待を込めた。
ANAホールディングス・芝田社長「ANAにない新しい価値観を、アジアのお客さまに提供していってほしい。ジャパンテイストの洗練されたサービスや、エコノミークラスだが座席の間隔をとって、ゆったりとした機内の過ごし方を提供する。2024年、やはりわれわれにとっての伸びしろは国際線事業。コロナの期間中休止していた国際路線を、ことしはしっかり戻していく。新しい地点、国際線の新規就航地点を開拓していく、そういう成長の年になる」
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