年の瀬の28日、東京・千代田区にある参院議員宿舎に現れたのは、東京地検特捜部の係官。
28日午前9時過ぎ、東京地検特捜部が、自民党・安倍派の大野泰正参院議員が住む議員宿舎などの強制捜査に乗り出した。
自民党の派閥パーティーをめぐる裏金疑惑が浮上している大野議員。
その額は、現在判明している中では最多の総額5,000万円にのぼるとみられる。
大野議員の地元、岐阜・羽島市の事務所には、東京地検特捜部の捜査が迫る中、多くの報道陣が待ち構えていた。
午前10時半、事務所では、新年に向けて業者が門松を2つ設置する姿も見られた。
この1時間半ほど前の午前9時。
特捜部は、大野議員が住む東京・麹町の議員宿舎を強制捜査。
さらに1時間後、議員会館にもスーツ姿の係官6人が捜査に入った。
大野議員は、2022年までの5年間で、安倍派の中で現段階で最多の総額5,000万円を超える“キックバック”を受け、収支報告書に記載していなかった疑いが浮上している。
“安倍派”大野議員「精査しています。全部精査している」
強制捜査が入った大野議員は、今、どこにいるのか。
午後3時半、地元の事務所で秘書が取材に応じた。
大野議員の地元秘書「(大野議員から連絡は?)ありません。(大野議員本人と連絡は取れている?)取れていません。(帰ってくる予定は?)そういうことも聞いておりません」
議員側への強制捜査は、27日の池田佳隆議員に続き、大野議員が2人目。
裏金疑惑に揺れる岸田政権。
28日、さらなる激震が走った。
午前10時過ぎ、現役の国会議員で、前の法務副大臣の柿沢未途容疑者(52)と秘書の4人が逮捕された。
柿沢容疑者は2023年4月の江東区長選挙で、秘書に指示して区議らに現金を配り、買収するなどをした疑いが持たれている。
午後0時半ごろ、柿沢容疑者らを乗せたとみられる車が東京拘置所に入った。
前法務副大臣の逮捕という事態に、午後5時半ごろ、岸田首相は「大変遺憾なことであり、私自身の任命責任、これを重く受け止めている」と述べた。
異例の事態に自民党内からは、「最悪の年末だ。政治改革の具体策を年内に示してほしかった。地元で説明がつかない」、「このままでは内閣がつぶれる」などの声が。
年の瀬に行われた現役議員の逮捕と強制捜査。
今後の展開について、ある検察幹部は「ことしの特捜部には年末もお正月もない」と話していて、29日以降、年明け三が日にも何らかの動きがある可能性もある。
FNNプライムオンライン
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