元陸上自衛官の五ノ井里奈さんに対する強制わいせつの罪に問われた当時の上司3人の裁判が12日、行われ、福島地裁は、3人に懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。
判決後、五ノ井さんは、こう話しました。
五ノ井里奈さん:「最初のころからずっと訴えてきた事実が、しっかり裁判所でも認められて、有罪判決が出たことは、日本社会にとってもいい判決。もともと刑の重さというよりも、彼たちがしっかり事実を認めて、反省してほしい思いで、ずっと闘ってきたので」
渋谷修太郎被告(31)、木目沢佑輔被告(29)、関根亮斗被告(29)の3人は、宴会などの場で五ノ井さんを押し倒し、腰を振ったり、下半身を押し付けるなどの、わいせつな行為をした罪に問われていました。
福島地検は、不起訴にしていましたが、検察審査会では『不起訴不当』という議決に。6月から裁判は始まりました。
当初は、謝罪していた3人ですが、公判では無罪を主張し始めます。
渋谷修太郎被告:「腰を振ったのは、笑いを取るためで、性的な意味はない」
木目沢佑輔被告:「五ノ井さんは、うそをついていると思う」
裁判官が下した判決は、求刑2年に対し、懲役2年、執行猶予4年というものでした。
三浦隆昭裁判長:「被害者の人格を無視し、被害者を宴会を盛り上げる単なる物として扱うに等しい。被害者の性的羞恥心を著しく害する卑劣で悪質な態様。性的意図の程度に関わらず、動機や経緯に酌むべき点もない」
五ノ井里奈さん:「今後、この判決によって、笑いのためでは許されないと証明できた。いろんな抑止力になればいいなと。私は今でも自衛隊に対しては感謝していますし、東日本大震災で助けていただいて、恩はしっかりあります。一人ひとり大切にされて、ハラスメントがない組織に、しっかり根本的に直してほしい」
被告側は、控訴について「判決内容を精査する」として、明言していません。
また、防衛省は「個別の刑事事件へのコメントは避ける」としたうえで、こう述べました。
防衛省・茂木陽報道官:「この案件について、元隊員を懲戒免職処分にしている。長く苦痛を受けられました五ノ井氏に対しまして、深く謝罪を申し上げるものでございます」
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