岸田政権“問題山積み”で予算委論戦…自民に大打撃“政治とカネ”乗り切れる?(2023年11月21日)

岸田政権“問題山積み”で予算委論戦…自民に大打撃“政治とカネ”乗り切れる?(2023年11月21日)

国会では衆議院の予算委員会で補正予算案の審議が始まりました。

岸田総理が指摘されたのは、物価高対策の“遅さ”です。
立憲民主党・泉健太代表:「早く経済対策を打つべき。物価高対策をやるべきと言ってきたが、総理は残念ながら、この数カ月やってこなかった。総理は、今年始めると言っている。遅いんですよ。遅くないっていうんですか、遅れてるんですよ」
岸田総理:「昨年来、再三にわたって、経済対策は用意してきました。低所得者層に対する給付など、電力・ガス、燃料油の激変緩和措置など、さまざまな措置を繰り返し行ってまいりました。何よりもの対策、これは賃上げであるということで、賃上げを押し上げるための対策を用意した」

賃上げにつなげるためと、総理が打ち出した“定額減税”。問題は、その財源です。
立憲民主党・泉健太代表:「減税をするなら国債を発行をしなければならない。結局、総理は還元と言うけれども、出血セールじゃないですか。出血ですよ、間違いなく。総理の懐じゃないんですよ。国民の懐から総理の人気取りのために出血しているセールなんですよ」
岸田総理:「単年度ではなく、国全体の財政を考えると、国民からいただいた所得税、住民税を減税という形でお返しする。
国民から見れば、納めた税金を減税という形で返していただく。これ還元、還元ということにあたるんだと」

政治とカネについても、追及されました。自民党の5派閥がパーティー券収入など約270件、4000万円分を収支報告書に
記載していなかった問題です。
立憲民主党・大西健介衆院議員:「これほど多額の不記載を単純なミスと見ることは難しいんじゃないか。『自民党内に手口が共有されている可能性がある』と。岸田総理、どう思いますか」
岸田総理:「それぞれの政策集団において、それぞれの収支報告。これは責任をもって提出しなければなりません。宏池会(岸田派)としては、訂正を行ったうえで、今後こうしたことが起こらないよう、しっかり対応してまいりたい」
立憲民主党・大西健介衆院議員:「現職総理が派閥のトップとしてパーティーを開いて、金集めしていること自体がそもそもおかしいと思う。派閥の会長を辞めるべきでは」
岸田総理:「現職総理で派閥の会長を続けた例は過去にもいくつもあります。大切なことは、派閥会長であることが、総理大臣としての立場に影響を与えることがあってはならないと」

派閥の運営を取り仕切るのが“事務総長”です。3人の大臣がそれぞれの派閥で担当していました。

新藤義孝経済再生担当大臣:「この場で閣僚として申し上げることではない。我々の団体は、きちんと説明責任を果たしてると申し上げてるわけであります。
立憲民主党・本庄知史衆院議員:「いつどこでどのように果たされたんでしょうか」
新藤義孝経済再生担当大臣:「それは政治団体の方にお問い合わせいただきたい」

予算の審議を前にした各紙の内閣支持率は軒並み20%台です。“危険水域”と言われる数字です。
自民党・森山裕総務会長:「非常に危機感をもって、受け止めています」
自民党・梶山弘志幹事長代行:「自民党の支持率についても急上昇するような特効薬は存在しないと思っています」

※政治部・官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。

(Q.内閣支持率の“危険水域”に入り、新たに“政治とカネ”の問題が浮上しました。自民党の雰囲気はどうでしょうか)
派閥のカネの問題ですが、取材すると、東京地検特捜部は数カ月前から、自民党関係者から話を聞き始めていたようです。つまり、きのう、きょう始まったことではないということです。自民党内でも、事情をわかっている人ほど深刻に捉えており、非常にピリピリしています。

これまで、岸田政権の支持率は急落しているものの、自民党の支持率はある程度キープできていましたが、今回のカネの問題が、まだわかりませんが、仮に裏金作りとなると、自民党全体に疑惑の目が向けられかねません。これまで自民党内では、状況が悪くなっても、「岸田さんを変えれば、新たな総裁で選挙に勝てる」と、ある意味で“高”を括っていた向きがありました。しかし、問題が自民党全体に波及すれば、顔を変えてもすまない、いわば“ポスト岸田”どころではない深刻なフェーズになりかねない危うさを、この問題ははらんでいると思います。

(Q.岸田総理としては、何とか浮揚を図りたいでしょうが、この国会、どのような姿勢で臨んでいるのでしょうか)
21日の予算委員会で、岸田総理が質疑の前に、経済政策の部分だと思いますが、答弁の練習をするような珍しいシーンがありました。岸田総理は、愚直に経済対策、なかでも賃上げで勝負するという雰囲気を固めています。総理側近も「余計なことはせず、賃上げ一本だ」と話しています。そうなると、来年3月の春闘が山場になって、6月には、いまは評判が悪いですが“減税”がやってきて、賃上げを下支えする。このあたりに照準を合わせて体制づくりをしていきたいというのが岸田総理の考えのようです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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