厚生労働省が初めてとりまとめた「飲酒に関するガイドライン」によると毎日ビール1杯以上飲み続けると、がんの発症リスクが高まるというんです。
■厚労省が初の「飲酒ガイドライン」 飲酒の“適量”は意外と少ない?
井上貴博キャスター:
これまではどちらかというと、「適量であればむしろ体にいい」とか、「酒は百薬の長」なんて言われてきたわけですが、少量でもリスクがあるので考え方を変えてください、というような発信が行われました。
飲酒に関するものについて、厚生労働省が国としてガイドラインを設けるのは今回初めてです。
「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」=1日あたりの純アルコール摂取量は、男性は40グラム以上、女性は20グラム以上。ここを目安にしてほしいということです。
アルコール摂取量をグラムで考えることは少ないですが、今は売られている商品、缶に小さく純アルコール量がグラムで書かれているので、気になる方はご覧になってみてください。
女性で考えていきます。20グラムというのはボーダーラインですので、実際どのくらいなのかビールで考えますと、500mlのロング、または中瓶。これが20グラム。男性だとロング缶2本です。適正な飲酒はこのくらいにしてくださいと。ウイスキー(43%)で考えると、60ml(ダブル)。男性は倍にして120ml。
リスクが上がるアルコール量としてもう少し具体的な例が挙げられています。脳卒中(脳梗塞)、胃がん、肝がん、この三つについて、男性と女性でそれぞれ大きく分かれるんです。
1週間あたりの飲酒量を缶ビール(ml)で換算すると、男性は15本以上、女性は約4本以上で脳卒中のリスク。男性は少しでも、女性は約8本で胃がんのリスク。男性は約23本以上、女性は約8本以上で肝がんのリスクが上がるということです。こういうリスクを頭で考えながらということなんだろうと思います。
ホラン千秋キャスター:
物によって男性がリスクが高いもの、女性がリスクが高いものが違うんですね。
■“健康的に無理なく”お酒を飲むには?
井上キャスター:
そこはいろいろ医学的な実証データと裏付けられてというところなんだろうと思います。
総合内科専門医の大谷義夫医師にお話を伺いました。飲酒で心がけたいことは「お酒と水を一緒に飲む」ということです。
なぜ、水分をとるといいのかというと、「お酒だけでは水分を失い、血液がドロドロになり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増える」ということです。なので、水をなるべく取るというのは命に直結するということになるわけです。
さらに、「お酒の後はウォーキング」。なぜなのかというと、「お酒を飲んでドロドロになった血液を歩くことで正常な状態に戻すことができる」ということです。
飲酒を無理なく楽しむには…
▼1週間に数日は“休肝日”を作る
▼昼から飲まない
▼1日に飲む量だけお酒を冷蔵庫に入れる
あとは、「自分がどれだけお酒が飲めるのか、体内でのアルコールの分解能力を検査することで簡単に調べる方法がある」そうです。大体2万円ぐらいかかるものが多いんですが、それで自分で1度数値でチェックしてみるという方法もあるようです。
ホランキャスター:
いろいろ心がけつつ、水分をたくさんとるとか、歩いて帰る。歩いて帰るということはつまり千鳥足になるほど飲んではいけないということですからね。心がけながら、この楽しい季節をぜひエンジョイしてもらいたいなと思いますね。
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