埼玉県に住む小学校6年生の柴田亮君、12歳。
彼のすごいところは、手先の器用なカードマジック!
ではなくて・・・
実は亮君、カブトムシの「常識」を覆す新発見をした、カブトムシ研究者なんです。
亮君の研究は、なんとアメリカの権威ある生態学の雑誌に掲載されました。
亮君と論文の共同発表をした山口大学の小島渉講師は・・・
「ただただ、驚きました」
いったい彼はどんな“新発見”をしたのでしょうか?
幼い頃からカブトムシの観察が大好きだった亮君。
よく近所にあるクヌギの木にカブトムシを見に行っていました。
しかし・・・
柴田亮くん (12歳)
「その(クヌギの)木が切られちゃった時はすごく泣いて、
2年間はカブトムシにほとんど会ってなくてすごく悲しかったです」
大好きだったクヌギの木がなくなり、一時は悲しみに暮れた亮君。
ところが・・・
小学4年生の時、意外な場所にカブトムシが現れました。
その場所は、なんと自宅の庭。
しかも、クヌギではなく亜熱帯原産の庭木「シマトネリコ」の木でした。
さらに、亮君は不思議なことに気が付きます。
「何故か昼間も多くのカブトムシが集まっているので、それがすごく不思議で調べてみました」
本来「夜行性」であるはずのカブトムシが、なぜ「シマトネリコ」の木には昼夜を問わず集まるのか?
そのなぞを解きたくて、亮君は観察をはじめました。
木に訪れるカブトムシのオス・メスの数と時間を記録するなど、自由研究として毎日観察を続け・・・
柴田亮くん (12歳)
「図書館でカブトムシというのが題名につくものを全て本を借りてきて、シマトネリコについて書いてないかなと読んでいました」
すると、ある本にこんなヒントをみつけました。
『なぜかわからないが、シマトネリコには多くのカブトムシが集まっている』
その本の著者で、カブトムシの研究者である山口大学の小島渉先生に、亮君は自由研究の結果を送りました。
それを見た小島先生は・・・
「科学的に誰も今まで調べことがなくて論文にする価値がある。
面白いので継続して取り続けた方がいいんじゃないかということを言った」
“夜行性”といわれるカブトムシ。
それが、“シマトネリコ”の木では、昼夜を問わず活動するという亮君が見つけた事実は、科学的にまだ証明されていませんでした。
小島先生から観察を続けるようアドバイスをうけた亮君。
翌年は、さらに夢中で観察しました。
柴田亮くん (12歳)
「時間ごとにランダムに、いろんな時間に個体ごとに印をつけて個体の入れ替わりも調査できるようにしました」
深夜は両親に動画をとってもらい観察。
去年の夏休みを利用し35日間、早朝から夜まで、多いときには1日13回も観察し、オスのカブトムシ100体、メスのカブトムシ62体、計162個体の記録をとりました。
「終わった後見たらこんなにいたんだって、こんな多くのカブトムシに印をつけたんだってびっくりしましたね。
一日一日があっという間で。生活の中に研究が溶け込んでいる感じですごい毎回楽しみでした」
亮君の観察記録は、「夜行性」のカブトムシが植物によっては日中も活動するということを証明していました。
小島先生が、それを論文にまとめ、生態学の権威ある雑誌「Ecology」へ投稿すると異例の速さで採用され、亮君の“新発見”は、世界に認められたのです。
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