政府が停止していた発行を再開すると発表した「ベビーシッター割引券」。その背景にあったのは利用者の切実な「声」でした。
都内で暮らす青木美友貴さん。1歳の双子と7か月の子ども、3人を育てながら働く「ワーキングマザー」です。
3児の母で共働き 青木美友貴さん
「喧嘩するんですよね、取り合い。こっちの子が体が大きくて、いつも泣かされて」
賑やかで忙しない日々。夫婦共働きのため、月に8日ほど、夕方、食事などで立て込む時間にベビーシッターを利用しています。
3児の母で共働き 青木美友貴さん
「シッターがいないと正直回らない。両親も仕事をしていたり、遠方だったりして助けがないので」
まさに、ベビーシッターは暮らしの「生命線」。割引券を活用することで家計の大きな助けになっています。
割引券は内閣府の委託先から勤務先の企業を通して利用者に配布され、月に最大5万円ほどの補助を受けることができます。
しかし、今月2日…
全国保育サービス協会ホームページ
「本年度の通常分割引券は、上限枚数に達しましたので受付を終了しました」
上限に達したとして突然、「発行終了」が発表されたのです。
3児の母で共働き 青木美友貴さん
「まず突然すぎる。どのくらいひと月に消費されているか、ちゃんと数えていれば、大体いつくらいまでに終わるから事前に告知しようというのも可能じゃないですか」
割引券が利用できなくなると、ひと月あたりの負担額は5万円を超えることになります。
物価高が家計をひっ迫する中、さらに追い打ちをかける今回の事態。政府の姿勢に青木さんは不信感を抱いています。
3児の母で共働き 青木美友貴さん
「やっぱり今、すごく税金も高いし、子どもにもこれからお金もかかるし、教育費もかかるし。物価も上がっている中で、そんなに自腹でベビーシッター代が出せるわけじゃないので。『打ち切りです』って言われるのは正直すごく困っています」
発行終了に高まる批判の声。ついにきょう、政府が動きました。
加藤鮎子 こども政策担当大臣
「利用券の発行を再開するという方針といたします」
適切に行き渡るよう「再発行する」と発表。その時期については可及的速やかに行うということです。
3児の母で共働き 青木美友貴さん
「シッターの助成金があることで気軽に使えるし、心の負担とか体の負担が少なく、楽しく育児できるという意味では(割引券は)マストだと思っています」
政府には、後手に回らないこども政策の実現が求められています。
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