岸田総理は25日午後、経済対策の5本柱を発表しました。
物価高への対応が一番に掲げられました。そのうえで、こう述べました。
岸田総理:「我々は、ようやく“冷温経済”を脱し、活発な設備投資、賃上げ、人への投資による経済の好循環を実現し、経済の熱量を感じられる“適温経済”の新たなステージに移れるチャンスをいま迎えています」
去年の経済対策で、電気代やガス代などの抑制策を実施した岸田政権。今回も負担軽減策を盛り込みます。
止まらない物価高。街の人は、どう対応しているのでしょうか。
美容師(20代後半):「食費の金額を決めているので、1週間の金額をオーバーすることが増えるようになった。特売品を一気に買って、冷凍して、うまく使うようになりました」
美容師(20代後半):「副業でキャッシュポイント(収入源)を複数つくって、仕事をちょっとでも頑張って、お金を稼いで。自分たちで守らなきゃなって意識がすごく強い」
主婦(40代):「本屋さんもよく行くのですが、本も高くなっている気がするし、じりじり攻められている気がする」
岸田総理は、“聞く力”を発揮すべく、去年、商店街を視察しました。この1年で変化はあったのか、聞いてみました。
タコとハイボール武蔵小山店・駄澤巧店長:「結論でいうと値上げして、たこ焼きの値段、9月から値上げになって。結構、状況としては、よくはなっていないと思います。物価高は、もちろんそうなんですけど、今後は、これ以上、物価高が続かないように、消費者が、飲食店を利用しやすい方向にもっていってくれたら」
岸田政権での“物価”と“賃金”を見ると、『消費者物価指数』は、24カ月連続で上昇。一方で、物価の影響を考慮した実質賃金は、16カ月続けてマイナスとなっています。物価高の勢いに、賃上げが追いつかない状態が続いているのです。
物価高による倒産は、今年8月までで、すでに503件。去年を超えて、過去最多となりました。
18人の社員を抱える『富士精器』。ここにも、去年、岸田総理が視察に来ました。「電気代の抑制策には助けられた」と話しますが、厳しい状況が続いています。
富士精器・藤野雅之社長:「ある材料は2倍くらいになっている。運送コストやエネルギーコストは価格転嫁できてないものがいっぱいある」
この春、若い技術者を育てたいと、3~4%の賃上げを何とか実現しましたが、企業努力だけでは限界があると感じています。
富士精器・藤野雅之社長:「我々、中小企業は、なんとか技術を上げるので、経済を上手く回して還元ができる政策をぜひ打ってもらいたい」
経済対策の柱には、いわゆる“年収の壁”への対応も含まれています。『106万円の壁』については、社会保険料の負担を避けるため、企業に対し1人あたり最大50万円を助成へ。また『130万円の壁』については、最大2年の間、扶養にとどまることができる方向で調整を進めています。
報道ステーションが、週末に行った世論調査では、内閣支持率は30.7%で、4カ月連続で、不支持が支持を上回る結果となっています。
※岸田総理は25日午後、「“冷温経済”を脱し、“適温経済”の新たなステージへ移れるチャンスを迎えている」としました。
「人や設備・研究開発などへの投資もコストカットの対象で、消費と投資の停滞を招いた」という状況を“冷温経済”としたうえで、「活発な投資や賃上げなどで経済の好循環を実現し、熱量を感じられる“適温経済”」への転換期だとしました。
岸田総理は、今後3年間は“変革期間”として、経済対策に集中的に取り組んでいくことを表明しました。
この“適温経済”を達成するための“経済対策の5つの柱”を発表しました。
●物価高から国民生活を守る
●持続的賃上げ、所得向上と地方の成長
●成長力につながる国内投資促進
●人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革
●国土強靭化など国民の安心・安全
今回の経済対策では、この“5本柱”を重視していくとしました。岸田総理は、この“5つの柱”に基づき「10月をめどに政府与党と緊密に連携しながら、経済対策を取りまとめる」としています。そして、その後、「速やかに補正予算の編成に入りたい」としています。
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