人体への有害性が指摘されている有機フッ素化合物「PFAS」。住民の血液検査で高い数値が検出された兵庫県明石市に対して、県議会議員が対策を申し入れました。
9月21日、明石市に対策の申し入れを行ったのは丸尾牧兵庫県議です。PFASは4700種類以上存在する有機フッ素化合物の総称で、水や油をはじく性質があるため、フライパンのコーティングに使われたり、泡消火剤や半導体の製造などにも使われたりしてきました。そのPFASのうち「PFOS」と「PFOA」の2種類については発がん性が疑われています。
2020年の国の調査で、市内の水源の3割を占める明石川から取った水道水からはPFOSとPFOAが国の基準ぎりぎりの高い濃度で検出されていました。
そこで今年8月、丸尾県議が京都大学の小泉昭夫名誉教授の協力を得て、明石市の男女9人(13歳~76歳)の血液検査を行ったところ、うち3人は健康被害のリスクが高まるとされるアメリカの基準値を超えていたということです。
浄水器を使っている人の数値が低いことなどから「水道水に由来する可能性が高い」としています。
(丸尾牧兵庫県議)「汚染源を処理しないと、対策をとらないと、いつまでも水は流れ続ける。汚染物だったら撤去しないといけないし、工場だったら規制をかけて協力してもらって対策をうってもらうことをしないといけない。そこが非常に重要です」
明石市水道局では、すでにPFASの除去に有効とされる浄化用の活性炭の交換頻度を増やす対策を行っていて、現在は基準を大きく下回っているといいますが、2025年をめどに明石川からの取水をやめる予定です。
MBSは今回の血液検査に参加した人に話を聞くことができました。
(血液検査を受けた人)「すごくショックだったし、私は60代を超えているので自分の健康は仕方ないにしろ、若い人に明石は本当に住みやすい街っていう気持ちは思っていたけど、基準値を条例とかで決めるとか国がしっかりこれ以上体への影響がないような対策はとってほしいなっていうのはすごく切に願いますね」
申し入れを行った丸尾県議は明石市に対して、市内全域での血液検査の実施などを求めていて、明石川の上流域を管轄する神戸市に対しても9月22日に汚染源の特定と対策を求める申し入れを行うということです。
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