「楽しい!」
遊んでいるのは「DANCE aROUND」というコナミの最新ダンスゲーム。画面上のキャラクターと同じ動きができたかを点数で示します。
「100点超えた!うれしい! でもどうやって点数を判定しているんでしょう?
カギとなる技術はこの小さなカメラの裏側にあるんです。発したのは福岡市に本社を置く「ネクストシステム」。その技術を見せてもらうと…。
体の上のたくさんのマルは骨の関節や顔のパーツです。30カ所をリアルタイムで検出します。映像から骨格の座標を把握して解析する技術を独自開発。1台のカメラで10人以上同時に分析ができるのも特徴です。
このシステムにAIを加えることで、動きのパターンを学びます。例えば、ラジオ体操では。
「反応が早い!」
きちんとした動きをすると、画面に説明が出てきます。ところが動きが不十分だと認識されません。会社を率いるのは藤田社長。エンジニアとしてNECに勤めた後、2002年に独立しました。
「以前はこうやって体中にセンサーをつけて測定するか、体にピンポン玉のような反射マーカーをくっつけて複数のカメラで同時に撮らないと人の動きはとらえられなかった」
こうして生まれた新しい技術は生産現場でも生かされます。作業している人の動きをカメラで読み取り、いつもと違うと即座に異常を検知。事故やミスの防止につなげます。リハビリ支援ロボットに骨格解析技術を生かしているのはトヨタ自動車。患者が歩く様子を分析し、改善案を提案します。
「異常歩行の検知は経験によってきた部分があった。リアルタイムに骨格を検知してリアルタイムに異常歩行をおさえ、どうすればいいのかをリアルタイムで教えられる」
「今後、高齢者向けのサービスにも役立ちそうです。高齢化が進む中で歩き方や姿勢からその人の体の状態をいち早く検知して、効率的な運動方法や改善策を提案できます」
いまでは国内外370社にこの技術を提供し、売上高は3億円を超えました。そして独自の骨格解析はいま、新たな段階に進んでいます。骨格解析した映像を3D化し、腰や膝にかかる負担を数値で表します。体への負担が少ないフォームへ改良するなど、スポーツやトレーニングの場面での展開が期待されています。
「(この骨格解析技術は)基礎的なので応用も広がりがある」
「将来は動物の行動や一連の動きから病気の兆候をいち早く見つけて治療する。そういうことが可能になる未来が広がっている」
さまざまな枠を超えて、骨格解析の活用の場は広がりそうです。
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