“人生の最期”どう迎えるか 家族の面会やお見舞いの制限なし「ホスピス型住宅」の需要高まる

“人生の最期”どう迎えるか 家族の面会やお見舞いの制限なし「ホスピス型住宅」の需要高まる

 末期がんなどの患者に「自分らしい最期」を迎えてもらうための施設が9月、奈良市にオープンします。今増えている新しい看取りとは?(取材・報告=田淵菊子記者)

 介護ベッドや医療機器の置かれた、この部屋、実は末期がんなど最期を迎える患者たちのために用意された住宅です。ここは必要な看護を24時間体制で受けながら、人生の最期を自宅で暮らすように迎えられるという「ホスピス型住宅」です。

 ホスピスとは末期がんなど、余命わずかの患者に苦痛を和らげるケアを行い、穏やかな最期を迎えてもらう施設のことです。

 西日本で初めて病院にホスピスができたのは約40年前。しかし、ホスピスの病棟には厳しい設置基準があり、採算がとりづらいなどの理由から、今なお、ホスピスの数は足りているとは言えません。

 一方、国は医療費削減のために、病院ではなく自宅での看取りを進めています。しかし、最期まで治療が必要な末期がんなどの患者を自宅で看取るのには限界があります。

 そこで今、注目されているのが、この「ホスピス型住宅」です。28日に内覧会が開かれたこの施設は54人分の個室があり、自宅のように暮らしながら病院のように苦痛を和らげる治療も受けられます。

 ホスピスとは違い、家族の面会やお見舞いの制限もありません。すでに開業している別のホスピス型住宅では家族の結婚式に出席できない患者のために施設内で記念写真を撮ったケースも。

 見学者
 「最期まで自分らしく生きることができる自宅という感じ」

 今、こうした「ホスピス型住宅」の需要が高まっていて、3年で3倍近くに急増しています。

 リホープ奈良・杉浦紳吾施設長
 「医療依存度の高い人たちが最期まで生活できる施設や自宅が不足しているので『こういった施設がなかったのですごく助かる』という声もいただいている」

 さらに専門家は…。

 みずほ銀行産業調査部・高杉周子さん
 「(今後)高齢者の単独世帯や、高齢者のみの世帯が増えてくるので、自宅に代わって在宅療養を提供するホスピス型住宅の需要は増えてくる」

 世界に先駆けて超高齢社会に入っている日本。2040年には約49万人が病院や在宅での治療も受けられず、介護施設にも入れずに亡くなる可能性も指摘されています。

 人生の最期の選択肢を広げるためにも、末期の患者の受け皿づくりが今、急がれています。
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